作業療法士のアイデンティティはここにある!
いま作業療法に必要なのは“患者自身が自分と向き合える作業”を提供することである。つまり、“患者を治す視点”から“セルフヘルプペイシェントを作る視点”へのパラダイムシフトである。作業療法士(OT)のアイデンティティはここにあるといえる。
本書は、このパラダイムシフトを実現するためにOTに必要なのは“認知行動療法(CBT)”であることについて、序章、第1章、第2章に分けて丁寧に解説されており、具体的かつ効果的な理論・技術がわかる実践書となっている。作業療法へのCBTの応用をまとめた書籍は洋書にはあるが、本邦初である。
序章では、OTのアイデンティティの所在といま必要なものを提示するため、OTと理学療法士の違いなどをわかりやすい図も交えて明解に説明していく。
第1章Aでは、身体領域作業療法の対象となる患者の心理と対処について、解説されている。その対象疾患は高次脳機能障害、身体障害に合併するうつ病などである。また、地域在宅医療における患者・家族、高齢者の心理的課題についても記載されている。第1章Bでは、CBTの応用基礎として、CBTとは何か、認知的変数、自己統制感、ソクラテス式質問法、CBTの応用基本モデルなどが解説されている。そして、実際にCBTを使う方法として、カウンセリングの原則、セッションなどが、発展的な内容として、リハ拒否への対応、評価への人間作業モデルの活用、自己効力感と気づき、協業、患者マネジメントなども記載されている。
第2章では、実践報告として、リハ拒否への対応・集団CBTの活用を含めた6事例が取り上げられているが、いずれも患者に行動変容を促し、ADL、QOLが改善した事例である。
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