◆第二句集
街角に虫屋はこゑを売つてをり
この句集には、伊藤氏が人生の時間の中で、よく歩き、ものをよく見て、世界の不思議について深く考えた句が詰まっている。
解説より・柳克弘
◆自選十句
一本の杭のあるかにとうすみは
てにうけてつきのひかりのおもさかな
年玉に弾初の音も入れにけり
あぢさゐを描くに空より色を借り
死ぬまでに名をしるす数雪ほたる
どのみちも頂上ひとつ松虫草
歯ブラシのすこし短き帰省かな
血の匂ひわからぬニュース金魚玉
わが部屋はわが息ばかりちちろ鳴く
閑さの見ゆるがごとし瀧凍つる
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