バスって慣れてしまうと何でもない乗り物かもしれません、でも確かに大人でも初めての場所で乗るバスはドキドキしてしまいます。
この絵本ではキツネの子が人間に化けてバスに乗る。なので相当ドキドキしたに違いありません。必死になっておじさんのところに行こうとする姿に、何だかキツネの親になったような気持ちで見守っている自分がいました。
ハプニングが有ってドキドキがマックスになりましたが、それでもちゃんとハッピーエンドが待っていてホッとしました。
私も初めてバスに一人で乗った日の事を覚えていますが、私の場合ドキドキしながら「次は〜です」って言う放送を聞き逃さないようにしながら降りたつもりだったのに、降りる場所を間違えてしまって。その当時はスマホも携帯電話も無かったので最悪でした。キツネの子のように本当に泣きたいくらいドキドキしていたのを覚えています。
いつか、自分の子供達も一人でバスに乗る日が来るんだろうな、その時はきっとこのキツネの子のようにドキドキしながら、心配しながら乗るんだろうな、と思いました。子供もドキドキすると思いますが、親の私はきっともっと心配で仕方が無くなってしまいそうです。
誰にでも訪れる「バスに(初めて)乗る日。」。だからこそこの絵本が誰にでも共感出来て、誰にでもこの絵本を通じてドキドキワクワク感が味わえるんだと思います。
子供が読んでも大人が読んでも楽しめて、ワクワクして、心配して、最後にホッと出来る。素晴らしい1冊だと思います。これからバスに乗る経験をする子供達にも、もうバスはなれているよ、という子供達にも、ぜひ読んでもらいたい1冊です。