何の音? そう、紙がやぶれる音! 大人はちょっと驚くけれど、子どもたちは目を輝かせるのではないでしょうか。
破いた時に現れる白い断面が何ともリアル。そして現れるのは、断面を開いて造形するヘビやウサギなどです。この自由な発想から、親子でいろいろな会話ができそうです。オノマトペでつづられた文章で、耳からも楽しめます。ページをめくる前に、いろいろ想像してみるのもクイズみたいでいいですね。破る音はだんだんと複雑にユニークになってきます。そして、最後に登場するのは? 思わず、スキンシップしたくなる声掛けがクライマックスです。
読んだ後は、親子で色紙などを用意してやってみましょう。その楽しさは間違いありません。(案外、親もストレス解消になって、夢中になっている姿を知っています。)中新井純子さんは、NPO法人のこどものアート指導スタッフの経験もあるので、そんな経験も今作で生きているのでしょうね。既刊の『しろしろのさんぽ』(BL出版)では、スクラッチ、プリンティングの描画で、落書きの楽しさにあふれていますし、『ものすごくおおきなプリンのうえで』(教育画劇)での想像力豊かで、伸びやかな絵も印象的です。
(中村康子 子どもの本コーディネーター)
「びりびり」って、なんだろう? そう、紙がやぶれる音! びりびり、びりびりびりびり、びりりりり……やぶってみたら、ぴっ、ぷっ、ぱっ、にょろり、ぴょん、ぱかっ。ページをめくって親子でにっこり。そして、ラストは思わず手が出ちゃう、意外な展開に!
色紙をびりびりっとやぶって、できた形から見えてくる、さまざまなものたち。いきいきと豊かな表情で、いのちを吹きこまれたかのように楽しそう。絵本を読んだあとは、身近にある紙をつかって実際にびりびりしてみたり……親子で楽しく自由な遊びに広がる絵本です。
ハッキリとした大きな絵、オノマトペ、びりびり破いた紙が次のページで変化する…、小さい子の大好きな要素が詰まっています!
0歳から楽しめそうですが、1歳ともなれば、最後の「たーっち」も手が出てきて、より一層楽しめます。
1歳3ヶ月の我が子は、「たーっち」のページが特に大好きで、「ちち!」と嬉しそうに何度も手を重ねます。
紙を破って遊ぶ前の導入にも良さそうです! (うさぎのタンタンさん 30代・ママ 女の子6歳、女の子1歳)
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