いつも飲んでいる牛乳って、誰がどんなふうに作っているのでしょう?
絵本作家・写真家のキッチンミノルさんが牧場に泊まりこみ、撮った数々の写真で、そのヒミツがわかります。
1枚目の写真は、午前4時30分。夜明け前。
北海道・別海町のたんぽぽ牧場にあかりが灯り、夜を放牧地ですごした牛たちが、牛舎へもどる風景から始まります。
せっせと働くのは、牧場を営む、かとうゆうすけさん、ゆうたさんの兄弟。
牛たちの朝ご飯、乳搾り、牛舎の掃除。
他にも牧草を刈り入れたり(と思ったら、機械が故障しそうになったり)、牛の出産があったり(無事生まれた姿は感動的!)と……たくさんのドラマが小さな絵本に詰まっています。
牧場の営みと、牛乳が私たちの手元へ届くまでの流通を、丁寧にとらえた“しゃしん絵本”。
知らない世界をのぞくドキドキ、新鮮なワクワクがいっぱいです。
キッチンミノルさんは「マグロリレー」(月刊かがくのとも2019年12月号 福音館書店)など、身のまわりの面白いことを多くの人と共有することを目標に、“しゃしん絵本”の企画を発信。
本書は「大人にも勉強になる」「苦手だった牛乳を子どもが飲むようになった」と反響の声が多数届き、作者のねらい通りと言えそう。
あたたかさとユーモアを感じる写真は、何度見ても飽きません。
“牛乳ってこんなふうにできているんだね”と親子で楽しく読める絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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