真っ白なフワフワの毛に、赤い眼。小学生の「私」は家のうさぎ小屋で飼っていた「めめちゃん」を大切にお世話しました。早朝、わざわざ裏山へ好物のれんけ゛草やホ゜ンホ゜ンの葉を採りに行き。小屋の中に敷く藁も毎日取り替えました。
ある日、藁の上にたくさん抜けたうさぎの毛が。おばあちゃんに聞くと赤ちゃんを産む準備だと言います。ドキドキしながら見守り続けていると……やがてもこ゛もこ゛と蠢く赤ちゃんうさぎが。お母さんになったメメちゃんと子ウサギ、そして私は、一緒に成長していきました。
4年生になったある日、家にお父さんの仲間たちが集まり、楽しそうにお酒を飲んで過ごしていました。外に出たお客さんに呼ばれてうさぎ小屋に行くと、金づちを持って来るように言われます。小屋から引っ張り出されたのは、私のうさぎ、めめちゃんで……。
「ごちそうだ」「料理してもらおう」10歳の私にとって、目を覆うような光景。戦後間もない時代、うさぎはかけがえのない恵み。やり場のない思いで大人たちを恨んだ私も、徐々に自分たちが生きていくためにいただく「命」のありかたを理解していきます。
小さいものから大きなものまで、みんなが「命」をいただいて生きている。その意味をまっすぐに伝える一冊です。
(竹原雅子 絵本ナビライター)
続きを読む