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インタビュー

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2022.10.27

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『ポレポレゆきのなか』たしろちさとさんインタビュー

あわてん坊のやぎくん、お調子者のはりねずみくん、そしてしっかり者のぞうくん。仲良し3人が一緒に「たかいたかいやま」にキャンプに出かける『ポレポレやまのぼり』から11年。再びこの3人が活躍するおはなしが誕生しました。

今回の目的地は「ゆきまち」、極寒の世界、真っ暗な空に現れるオーロラを見る旅です。雪の景色を描こうと思ったきっかけは? 3人のキャラクターにもモデルはいるの? 『ポレポレやまのぼり』に出てきたキャラクターも登場するって本当? ……など、前作ファンも今作をはじめて読む方も楽しめるみどころを、作者のたしろちさとさんに伺いました。

  • ポレポレゆきのなか

    みどころ

    大きな荷物を持って電車に乗っているのは、あわてん坊のやぎくん、お調子者のはりねずみくん、そしてしっかり者のぞうくん。そう、あの仲良しの3人組が『ポレポレのやまのぼり』以来、11年ぶりの再登場です!

    今度の目的は、なんと「オーロラ」。着いた場所は「ゆきまち」駅。見渡す限り一面の雪景色。まずはくまロッジに行ってツアーの受け付けです。出発までの空き時間、3人は雪遊びを満喫。空が暗くなると、いよいよオーロラを見に行く時間です。おやおや、やぎくん。相変わらずの大荷物、そんなに持って大丈夫? はりねずみくんも、やっぱり大はりきりで先頭を急ぎます。

    「ポレポレゆきのなかだぜ」
    「ポレポレいこう」

    ぞうくんや、そして懐かしい山登りの仲間たちが、心配しながら声をかけてくれます。そうそう山登りは“ゆっくり”ね。そして丘の上にたどりつき、寒くて震えながら待つみんなの頭の上には……なんて美しい光景なのでしょう!!

    作者のたしろちさとさんが、実際に真冬の北極圏で体験したオーロラを絵本の中で再現してくれているこの絵本。その幻想的な光はもちろん、雪の冷たさや夜の寒さ、外で飲むスープの温かさ、みんなで特別な時間を共有した時の興奮なども伝わってきて、まるでみんなと一緒にキャンプをしているみたいなワクワクする臨場感が味わえます。

    旅を通して描かれる、3人それぞれのキャラクターや友情の物語も魅力的。「そろそろどこかへ出かけたいなあ」と思ったら、この絵本を手に取って、やぎくん、はりねずみくん、ぞうくんの3人に会いにきてみてくださいね。

この人にインタビューしました

たしろ ちさと

たしろ ちさと (たしろちさと)

東京都生まれ。大学で経済学を学んだ後、4年間の会社勤めを経て、絵本の制作を始める。世界的編集人、マイケル・ノイゲバウアーが見出し、「ぼくはカメレオン」で世界7カ国語同時デビュー。『5ひきのすてきなねずみ ひっこしだいさくせん』で2011年日本絵本賞を受賞。作品に、『ぼくはカメレオン』(グランまま社)、『すずめくんどこでごはんたべるの?』(福音館書店)、『くんくん、いいにおい』(グランまま社)、『ポレポレやまのぼり』『どうぶつどんどん』(大日本図書)、『はなびのひ』(佼成出版社)、『ぼくうまれるよ』(アリス館)などがある。神奈川県在住。

真冬の北極圏で体験したオーロラを、読者の皆さまにお届けできたら

――『ポレポレゆきのなか』の発売おめでとうございます。

ありがとうございます!

―― 2011年に『ポレポレやまのぼり』が発売されてから11年経ちますが、今回の続編はどのくらい前から考えていたのですか?

数年前になりますが、前作『ポレポレやまのぼり』の編集者さんから、「たしろさん、ポレポレの続編をつくりませんか?」というお話をいただきました。『ポレポレやまのぼり』を読んでくださっている読者の皆さまがいらっしゃるからこその続編のおはなし……とてもうれしかったのをおぼえています。そこから構想を考えはじめ、案を何度も考え、今日にいたりました。実は最初は、まったく違うおはなしだったんですよ。

3人の旅は「ゆきまち」からスタートです

―― そうなんですか? 今回、3人は「ゆきまち」にオーロラを見に出かけます。オーロラを見に行くことにしようと思ったのには、何かきっかけがあるのでしょうか?

北欧スウェーデンのユッカスヤルビという街を旅した経験が元になっています。真冬の北極圏で体験したオーロラが心に焼き付いており、それを絵本で再現して読者の皆さまにお届けできたらと、思いました。

―― たしろさんご自身の旅の経験がこの作品のベースにあるんですね。作品全体から真冬の寒さや雪の冷たさ、温度や空気も伝わってきた理由が分かりました。

そうおっしゃっていただけて嬉しいです。この絵を描くときに一番思ったのは、まさに「温度を描きたい」ということでした。それで、寒い寒い絵を描くには、まず自分が寒いと思わなければと、もう本当になりきり作戦で寒い所にいる気持ちになって描きました。でも、この絵を描いていた時期はどちらかというと蒸し暑い季節で……。急に「今日は暑いですね!」などと言われるとぽかんとしてしまって、そこはちょっと大変でした。

フワフワとした触感、雪の冷たさまで伝わってきます

―― 寒い時期に出版する絵本は、暑い時期に絵を描かなければならないんですね。読者としては11年ぶりにやぎくん、ぞうくん、はりねずみくんの活躍を読めるのはとても嬉しいですが、久しぶりに3人を描くことに、難しさはありませんでしたか?

絵本をつくるときに生まれたキャラクターたちは、絵本が完成してから何年経っても、心の中から消えてしまうことはありませんが、やはり絵のかたちにするのは久しぶりのことです。3人らしく絵本の中で生き生き動いてもらえるように、もう一度スケッチのようなことをたくさんしました。そんなある日、おしゃべりしながら紙の上で何気なく手を動かしていたら、いつのまにか3人が楽しそうに遊んでいる線画ができていて…その時「よし、また描けるぞ」と思いました。

ラフを見せていただきました
表紙のアイデアもたくさん!

―― こんなにたくさん、ラフ(下絵)を描かれているんですね! やぎくん、ぞうくん、はりねずみくんがラフでも生き生きと動き出していて、見ているだけで笑顔になれます。この3人、それぞれの性格がとても際立っているところも魅力的ですが、どなたかモデルはいらっしゃるのでしょうか?

うーん、どうでしょう……。 キャラクターをつくっていく段階で、ことばや動き、何かが起こったときの反応の仕方など、色々な人を思い浮かべて参考にしましたが、100%その人がモデルということでもなく、いろいろ想像を膨らませながら3人ができあがりました。

―― そうなんですね。たしろさんの中で、ご自身に一番近いと感じるキャラクターはいますか?

誰が近いというよりは、3人は3人で、私は絵筆を持って3人を追いかけている4人目、というイメージでおります。「私もつれていってー」という感じです。

―― この3人についていったら、どんな旅もワクワクしそうです。私は、旅行に荷物をたくさん持っていくやぎくんにとても共感しています(笑)。たしろさんは旅行のとき、荷物を多く持っていくタイプですか?

私も荷物が多いです。いろいろ心配になったり妄想が膨らんだりして、増えていってしまうんですよね、荷物が。いらないものまであれこれと……。やぎくんの気持ちが、よぉーくわかります(笑)。

たしろさんも共感? 今回もやぎくんのリュックには色々なものが入っています

もう一回「ポレポレ」のみんなに旅をさせてあげたかった

―― 『ポレポレゆきのなか』を読んでいると、ページのいたるところに『ポレポレやまのぼり』で出てきた動物たちが登場していることに気づきます。うさぎのご夫婦や、「ポレポレ」という言葉を教えてくれたサルおじさん、ねずみようちえんの先生と子どもたち、そしてくまファミリーは「くまロッジ」を運営していますね。前作と同じ動物を登場させることは早い段階から決まっていたのですか?

『ポレポレやまのぼり』の登場人物を登場させるということは、初期の構想段階から思っていたことです。たぶん私は、もう一回「ポレポレ」のみんなに旅をさせてあげたかったのです。そして同時に、私自身も懐かしいみんな、さるおじさんやくまファミリーや、ねずみようちえんのみんなに会いたかったのだと思います。 とは言っても、前作『ポレポレやまのぼり』をご覧になってない読者の方もいらっしゃると思いますので、知っている方には少し懐かしく、知らない方にも楽しんでいただける形を考えられたらと、思いました。

ファンには嬉しい、前作のキャラクターが登場します

――『ポレポレゆきのなか』でやぎくんが荷物を広げる場面、よーく見ると『ポレポレやまのぼり』と同じ物が入っているんですよね。「方位磁針とか笛が同じ!」「ホッカイロの数が増えてる!」など、『ポレポレやまのぼり』を見た子は、しっかり気づくと思います。

おっしゃってくださったように、『ポレポレやまのぼり』のあのシーンが再び……の絵です。前回、やまのぼりでたいへんな思いをしたのに、あいかわらず荷物が多い懲りないやぎくん。でもその荷物の中には、みんなへの愛がつまっているんですね。目を丸くしているはりねずみくんとぞうくんも最後には……。

『ポレポレやまのぼり』『ポレポレゆきのなか』は、旅を通して描かれるともだちの絵本。このシーンは、3人の友情を描く上でとてもだいじなシーンだと思っています。

―― 旅を通して描かれる友情、素敵ですね。そして真夜中の雪の中、夜空に浮かび上がるオーロラ! 本当に美しく、動物たちと一緒に息をのんで見とれてしまいました。先程、たしろさんも「オーロラを絵本で再現したかった」とおっしゃっていましたが、オーロラの儚さまで描き切る作業は、とても苦労されたのではないですか?

あまり普段使いませんが、苦労という言葉を使うならば、たくさん楽しく苦労しました! もう楽しくって。3人の旅のだいじなシーンにあらわれるオーロラ……私が見た記憶の中のオーロラは、真っ暗な夜空にあらわれて、かたときもじっとしていない、まるで生きものような不思議な光……それを絵にすることは大きな挑戦で、なかなか私の描きたいオーロラには近づけませんでした。絵は主にアクリルガッシュ、油絵の具を使って描いていますが、筆を入れれば入れるほど、一見「形よくきれい」にはなるけれど、絵はよくなくなっていくように思えたのです。たくさん描いて、最後にこの絵が生まれました。

印刷ディレクターさんが、色の再現性を確認するために、何種類もテストプリントを出してくださり、大変ありがたく思いました。

オーロラのラフ。このシーンがどんな絵になったかは、絵本でご堪能ください!

―― なかなか観ることができないオーロラを、この絵本で堪能できるのが本当に嬉しいです。最後になりますが、『ポレポレゆきのなか』をどのように楽しんでほしいですか? 絵本ナビユーザーへメッセージをお願いいたします。

コロナ禍の中での制作となった今回は、なかなか実際に旅行に行くのは難しい状況でしたが、絵本づくりの打ち合わせでは、編集者さんとの打ち合わせのたびに、やぎくん、ぞうくん、はりねずみくん、編集者さんといっしょに旅行に行って戻ってきたような気持ちになれ、とても楽しい時間を過ごせました。 それぞれがマイペースで、3人揃うと旅は3倍楽しくなる……そんな仲よし3人組。きっとこの3人なら、大変なことがあっても、わーわー大騒ぎしながらも固い絆で乗り越えていくことでしょう。どうぞ、やぎくん、ぞうくん、はりねずみくんとご一緒に旅をしてください。お楽しみいただけたら幸いです。

―― 発売したばかりですが、3人が次にどんな旅に出かけるか、続編を期待してしまいます(笑)。創作に関するお話しを色々聞かせていただき、ありがとうございました。

文・構成/木村春子

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