しかけをめくると妖怪が登場!今大人気の本格子ども向け図鑑
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絵本紹介
2024.06.10
勝ったら、負けたら、どうなるの? ハラハラドキドキじゃんけん遊びのはじまり! 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは、『どーん、じゃんけんぽん!』。大人にとっては懐かしい遊びが題材となっているこの絵本、いったいどんなお話なのでしょう?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
丸太の上をまっすぐ進んで、出会ったらじゃんけん。勝ったら進む、負けたらおりる。公園でかんちゃんとゆいちゃんは、大好きな遊び「どーん、じゃんけん」をすることに。
「よーい、どん!」
かんちゃんのかけ声で、二人は反対方向に向かって出発です。生い茂った葉っぱをよけると向こうからやってきたのは……おや? ゆいちゃんではなくて、きつねです。「どーん」と両手をぱちんと合わせて、「じゃんけん……ぽん!」
「やったあ!」
勝ったのはかんちゃん。前を向くと、いつの間にか丸太が遠くの方まで続いています。でも、勝ったら進むのです。丸太は池の上まで続いていき……。
子どもたちにとっては定番、大人にとっては懐かしい「どんじゃんけん」。いつもの公園ではじまった遊びは、気がつけば次々と動物たちに出会うファンタジーの世界へ。
「おちたら たいへんだ」
池の上の丸太をゆっくりゆっくり進んでいくと、やってきたのは、やる気まんまんのかえるです。
「勝ったら、負けたら、どうなるの?」ハラハラドキドキ、足だって震えちゃうくらい。思いがけない出会いもあったりして、なかなかの大冒険です。そんな日常のちょっぴり先にある素敵な出来事を描いているのは、『えんふねにのって』『ぼくのかえりみち』(ともにBL出版)などで人気の絵本作家ひがしちからさん。緊張感のあるやりとりと、やわらかな色彩で描かれる美しい風景や愛らしい動物たちの姿とのギャップもまた魅力的なのです。
さて、かんちゃんはゆいちゃんに会うことができるのかな? 読み終わったら、さっそく真似して遊んでみてくださいね。どーん、じゃんけんぽん!
あの瞬間の景色を
普段、何気なく子どもたちの姿を見ていると、その真剣に遊ぶ姿や表情に驚かされることがあります。好奇心や想像力を惜しげもなく使って挑む彼らの目の先には、どんな世界が広がっているのでしょう。ひがしさんの絵本を開くと、かつて自分たちも夢中になった、あの瞬間の景色を味わうことができるのです。子どもたちが読めば、それはきっと日常の時間の続きなのでしょうね。「遊ぶ」ことの喜びや奥深さを改めて感じさせてくれる一冊です。
この書籍を作った人
1972年大分県に生まれる。筑波大学芸術専門学群視覚伝達デザイン科卒業。2004年、第5回ピンポイント絵本コンペで優秀賞を受賞。受賞作をもとにつくった『えんふねにのって』(ビリケン出版)でデビュー。作品に『ぼくのかえりみち』『いま、なんさい?』『えんふねにのって』(BL出版)『ぼくひこうき』(ゴブリン書房)『ユキコちゃんのしかえし』(偕成社)『おむかえ』(佼成出版社)など多数。挿絵に『だんまりうさぎとおしゃべりうさぎ』(偕成社)『魔女ののろいアメ』(PHP研究所 )など。翻訳書に『ニブルとたいせつなきのみ』(ビリケン出版)がある。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。