●「絵本作家になりたい!」中学生からの夢を叶えた絵本作家デビュー
───おおでさんは絵本を出版する以前から、ステーショナリーグッズや紅茶のパッケージ、布雑貨のデザインなど、イラストレーターとしてすでにご活躍されていますよね。
───絵本作家になりたいと思ったのはいつくらいでしたか?
中学生くらいからなりたいと思っていましたね。絵本を読むのが好きだったので、私もお話を作る人になりたいと思っていました。
───そうなんですね! 子どもの頃に好きだった絵本はどんなものがありますか?
───大人になって子どもの頃に読んだ絵本を再読すると、また違った感動がありますよね。
───絵を描くのも、小さいころから好きだったんですか?
はい。小学生くらいから絵画教室に通っていて、大人になったら絵を描く仕事をしたいと思っていました。大学は京都精華大学カートゥーンコースに入って、風刺画を描いたり、色んな作品を作ったりしました。
───動物のモチーフがとても可愛く、擬人化も味のあるタッチだと思うのですが、やはり動物がお好きですか?
学生のときから動物をモチーフにした作品ばかりを描いていました。最初の頃はなかなか自分流のデフォルメが見えてこなかったのですが、最近ようやく、自分らしい描き方が分かってきたように思います。
───『シロクマくつや』で動物たちの着ている洋服や小さい小物のデザイン、色使いがたまらなくかわいい!ですよね。何か参考にしているんですか?
色んなものからエッセンスをもらって描いていると思います。例えば色使いはメアリー・ブレアさんやトーベ・ヤンソンさんのかわいさを押しすぎない、落ち着いた感じを意識しています。動物たちの洋服や小物など身につけている物は、以前旅行で行ったフィンランドで見た子ども服のファッションや雑誌、お店で見かけた配色などのイメージを取り入れています。
───なるほど…。海外絵本のような雰囲気を感じたのは、そういったものからイメージを受けているからなんですね。
───冷たく澄んだ空気の美しさがしっかりと伝わってきます! 動物たちの温かさとの対比もあり、すごく印象的な場面ですよね。絵を描くときの画材は何を使用しているんですか?
水彩やアクリル絵の具などいろいろな画材を使いました。普段の作業ではデジタルも使っているのですが、絵本ではなるべく温かさを出したいと思って、水彩のにじみなどを意識して描きました。ただ、デジタルでも手描きのほんわかした雰囲気を出したいなと思っていて、シロクマくつやのお店のロゴや壁のデザインなど、デジタルを取り入れている部分もあります。デジタルとアナログ、それぞれの良さを上手に使い分けながら、作品に一番合った方法で描いていけたらいいなと思っています。