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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  『こどものとも復刻版セット』刊行記念「こどものとも」新旧編集長対談|関根里江さん・松居直さん

半日でも駅で電車を見ている息子。乗り物の魅力って、すごい!

関根:2歳半になる息子が、とにかく乗り物好きで。私も編集者として、乗り物の絵本が求められていることは知っていましたが、こんなにも好きとは!休日は半日でも駅のそばで電車を見ているんです。復刻版の50冊の中には、乗り物にまつわる絵本が6作品はいってます。これは当時何か思いがあったのですか?

松居:当時というか、子どものときから僕は乗り物が好きでした。男の子ですから。乗り物は機械。本来、動くはずのない機械が動く。それが子ども心に面白くてしかたなかった。

関根:そういう魅力を感じておられたんですね。で、意識的に乗り物絵本をラインナップに入れられた。

松居:子どもが好きそうな乗り物を選んで入れました。『そらのきゅうじょたい』(140号)の飛行機だったり、『のろまなローラー』(113号)のローラー車だったり。『しょうぼうていしゅつどうせよ』(101号)の船は身近に見られない子どももいるけれど、これを読めば「本物を見てみたい」という気持になるでしょ。

のろまなローラー
のろまなローラーの試し読みができます!
作:小出正吾
絵:山本 忠敬
出版社:福音館書店

道路を直すローラーはいつもゆっくりゆっくり。スピードの速い自動車が次つぎに追いこしてゆきますが……。子どもたちをたっぷり満足させてくれる絵本です。

関根:そうですね。たいていの乗り物は本物を見るより先に、絵本で見ますね。飛行機なんかも絵本で出会って、憧れをふくらませている。

しょうぼうていしゅつどうせよ 特製版
作:渡辺 茂男
絵:柳原 良平
出版社:福音館書店

港は船がいっぱい。貨物船、タンカー、タグボートやモーターボート。船が衝突、けが人も出た。そら、救助艇の出動だ……。「火災あり、援助頼む!」。貨物船からの要請で消防艇が出動。火を消しながら船にたまった水をくみ出す、困難な消火活動が続く。港の安全のために活躍する人々と船の姿を、きびきびした文章と明快な絵で描いた楽しい絵本。(「こどものとも」101号)

作家の中の子どものような好奇心と、いたずら心が、絵本の可能性を広げてくれた。

関根:『きゅるきゅる』(112号)は、正直びっくりしました。良く絵本にされたなぁと……。でもこの滑車の存在に目をつけるのは子どもの視点ですよね。

松居:そう、子どもの好奇心。あとは、編集者としてのいたずら心ですね。「きゅるきゅる」ということば遊びの感覚も面白かったんです。

関根:いたずら心ですか?

松居:ときどき、読者をびっくりさせるようなことが必要なんです。後に『ぞうくんのさんぽ』(147号)を描かれる、なかのひろたかさんの処女作『ちょうちんあんこう』(126号)なんかもそうです。これはずいぶん冒険のつもりでやりました。なかのさんと話していて、この人の発想は「こどものとも」の読者と少しはずれるな、でもそのずれているところが面白い。固まってしまったらだめです。

ぞうくんのさんぽ
ぞうくんのさんぽの試し読みができます!
作・絵:なかの ひろたか
レタリング:なかの まさたか
出版社:福音館書店

散歩にでかけたぞうくんは、とちゅうで出会ったかばくんとわにくんとかめくんを背中にのせて……。明るい色彩と単純にデザイン化した絵が、この愉快な散歩に子どもたちを誘います。

関根:読者に対して、絵本の枠を広げるということですよね。

松居:反発されることはかまわない。「なんだこれは?」と言われることがあってもいい。安野光雅さんの『ふしぎなえ』(144号)や、私が好きだった鳥獣戯画を絵本にした『かえるのごほうび』(130号)なんかいたずらですよ。月刊絵本だからそれができる。長新太さんの『ぴかくん めをまわす』(127号)なんて、いたずらだらけです。

ふしぎなえ
作・絵:安野 光雅
出版社:福音館書店

あがってもあがっても下へいく階段。どうしてもさかさまに歩いてしまう横断歩道。そんなふしぎな世界が次つぎとくりひろげられる、子どもからおとなまでが楽しめる絵本。

関根:びっくりする読者がいる一方で、その1冊が強烈に記憶に残っている子どももいますしね。

ぴかくん めをまわす
作:松居 直
絵:長 新太
出版社:福音館書店

働きすぎて、目をまわした信号機のぴかくん。さあ、街は大混乱。人も自動車もごちゃごちゃになります。長新太のユーモアたっぷりに細かくかきこまれた絵で信号機の1日を描きます。

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関根 里江(セキネ リエ)

  • 「こどものとも第1編集部」現編集長。
    自らも「こどものとも」で育ち、現在は9才と2才の子育てにも奮闘中。

松居 直(マツイ タダシ)

  • 1926年生まれ。「こどものとも」創刊時の編集長。現在は福音館書店相談役。
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