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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  愛されて40周年! 「めがねうさぎ」シリーズせなけいこさん インタビュー

───「めがねうさぎ」シリーズ40周年、おめでとうございます。シリーズ1作目の『めがねうさぎ』が出版されたのが1975年。絵本ナビのユーザーさんの中には、子どもの頃に読んだという方も多いと思います。

40年……うちのうさぎも老けてきたのね(笑)。『めがねうさぎ』は、息子が小学校に入って、先生からめがねをかけた方が良いといわれて、めがねを買ったの。でも、クラスでめがねをかけている子が少ないから、気分が落ち込まないように、めがねは楽しいんだよというおはなしを作ろうと思ったのがきっかけ。

───では、『めがねうさぎ』の主人公、うさこのモデルは息子さんだったんですね。

そう。その息子も今は大きくなって、大学の先生になりました。絵本はみんな子ども達を見ながら、モデルにして作っているものが多くて。あんまり絵本で描かれるものだから、息子は妹に「いい子にしてないと、またママに本にされちゃいますよ!」っていったこともあったの。

───絵本のモデルになるなんて、嬉しいことのように思うのですが、意外です。「めがねうさぎ」シリーズは、おばけも重要なキャラクターですよね。おばけにはどなたかモデルがいるんですか?

おばけは特にモデルはいなくて、当時、息子がおばけが大好きで、特に水木しげるさんのファンだったの。それで、息子と一緒に「ゲゲゲの鬼太郎」を見ながら、「小さな男の子がこんなに熱中するなら、おばけは子どもにとって魅力的なんだろうな……」と思って、おばけを描くようになりました。

───普遍的な形なのに、目にした誰もが「せなさんのおばけ!」と分かるほど、特徴的なおばけですが、この形にした理由はあるんですか?

水木しげるさんの描くおばけや、ほかのおばけの絵も沢山見たけれど、子どもに見せるのだから、本当に怖くてはいけない。楽しいおばけを作ろうと思って描いています。これが動物なら、うちに一匹飼っておくんですが、そういう訳にもいかないですからね(笑)。

───たしかに……(笑)。おばけは飼えませんが、動物は色々飼われていたんですか?

動物は大好きだったので、色々飼いました。イヌもネコも、ウサギもね。

───ウサギも?! では、絵本に出てくるうさぎは、せなさんが飼っていたウサギなんですか?

ウサギは2匹飼っていて、1匹は「うさんごろ」で、もう1匹は「はんしろう」。「はんしろう」は絵本にも登場しますね。

───うさぎの「はんしろう」シリーズ(グランまま社)ですね。そんなにたくさんの動物を飼われていたなんて、驚きです。

私はすぐに触っちゃう方だったので、たくさん仲良しがいてね(笑)。若い頃、一時期コピーライターのアルバイトをしていたことがあって、映像作品を作るときに、撮影班と一緒に動物園に取材に行ったことがあったの。その動物園のチンパンジーが私に懐いて、おりの中から出てきて私に飛びついてきたの。私、嬉しくってね、大喜び。今でも、チンパンジーの絵を見ると、あのとき、抱っこした匂いを感じるんです。

───チンパンジーにもせなさんの動物好きが分かったんですね。『めがねうさぎ』が出版されて、1年後には2冊目の『おばけのてんぷら』が出版されました。『めがねうさぎ』で、うさこに代わってめがねを探してくれた“あの”おばけが、今度はてんぷらにされそうになっちゃう! 『おばけのてんぷら』のアイディアはどのように生まれたんですか?

夕食でてんぷらを作るとき、やっぱり揚げたてが美味しいから、台所で揚げて、すぐに子ども達と食べちゃうときがあって。「次は、おいも!」とか「エビ!」とかリクエストを聞いてね。そこから生まれたおはなしです。『おばけのてんぷら』ができてからは、うちではてんぷらのときにちゃんとおばけのてんぷらも出すんですよ。子どもたちは食べたとき、「おばけの味がする」っていってました。

───どんな味なんでしょう? わたしも食べてみたいです。3冊目の『めがねうさぎのクリスマスったらクリスマス』は2002年。『おばけのてんぷら』から26年経っています。

そんなに経っているのね。絵本はいつも作っているから、間が空いているなんて、全然気づかなかった。でも、随分長く描いていなかったから、うさこの洋服の紙があるか、心配だったのは覚えているわ。


うさこの洋服は包み紙?!

───せなさんは貼り絵で絵本を制作されますが、うさこの洋服の紙は特別な紙なんですか?

鎌倉の文房具屋さんに売っている、包み紙です。この柄がとても気に入ったので、しょっちゅううさこに着せているの。気に入った紙は、余分に買っておいて、作品を作るときにいつでも使えるようにしています。

─── 作品を良く見ると、はさみを使っているところと、手を使っているところがあるように思うのですが、絵を制作するときの道具のこだわりなどはありますか?

はさみはまっすぐ切れるけれど、手でちぎると、切れ目がぼそぼそして味が出るでしょう。はさみは大きさや切れ味の違うものを2〜3種類使って、細かいところやしっかりとした線をつけたいところははさみで切っています。うさぎの体など、ふわふわした感じが出したいときは、手でちぎるけれど、ただちぎるのも思い通りにいかないから、ナイフやコンパスといったものを紙に当てて、切っているの。

───紙を切るという簡単に思える作業にも、こだわりがあるんですね。2005年には「めがねうさぎ」シリーズ4作目となる『めがねうさぎのうみぼうずがでる!!』が発売されました。今回もおばけはうさこを驚かせようとしますが、その方法がうみぼうずに泳ぎを習うこと! おばけが泳げないということをはじめて知りました。


私が子どもの頃、泳げなくって、一生懸命練習して泳げるようになったから、おばけも一生懸命練習しているの。子どもが小さい頃は、しょっちゅう海に行きました。でも、残念ながらうみぼうずには会えませんでした。もし会っていたら、早速連れてきて、うちで飼っていたと思うの。

───うみぼうずの訓練で泳げるようになったおばけが「うみぼうずは くろいものだぞ!」といわれて、黒くなるために真っ黒に塗ってみたり、毛糸で服を作ったりする場面が特にかわいいですよね。そして、やっぱりうさこを怖がらせることができないおばけ……。おばけなのに、うさぎに負けてしまっている所も、せなさんのこだわりなのでしょうか?

私はあんまり怖いお化けはかけませんからね。気が弱くてうさぎを驚かせられない、そんなおばけが良いなと思って、作っています。反対に、うさぎは私の性格を受け継いでいるから、強いんです。

───なるほど〜〜〜。おばけではなく、うさぎがせなさんなんですね(笑)。現在4冊出ている「めがねうさぎ」シリーズですが、一番作るのが難しかった作品はありますか?

1冊ずつ作っていくわけですから、どれが特に……という感じではないですね。子どもはすぐそばにいますから、子どもを見ていると、おばけの動作も自然と思いつくの。

───そうして絵本にすると、お子さんから「いい子にしてないと、ママに絵本にされますよ!」と警戒されちゃうんですね(笑)。せなさんのおはなしを伺うと、身近な家族とのやり取りから絵本の題材を見つけられているんだな……と改めて思いました。今、「めがねうさぎ」のグッズがたくさん出ていますが、ご自身が描かれた絵本のキャラクターがグッズになっているのはどういうお気持ちですか?

本当、こういうのは自分が決められるわけじゃなくて、読者のみなさんが希望してくださったり、会社の方で作ってくれるので、「ありがとう!」って感じ(笑)。私のうさぎなら、きっと、嬉しくってピョンピョンはねていると思うわ。

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せなけいこ(せなけいこ)

  • 東京生まれ。武井武雄氏に師事。1970年、「いやだいやだの絵本」でサンケイ児童文学賞受賞。児童出版美術家連盟会員。「あーん あーんの絵本<全4冊>」(福音館書店)、「おおきくなりたい<全4冊>」(偕成社)、「ばけものつかい」(童心社)、「おばけのてんぷら」(ポプラ社)などの作品がある。ほかに紙芝居、装丁、さしえなど幅広い分野で活躍中。

作品紹介

めがねうさぎ
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作・絵:せな けいこ
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作・絵:せな けいこ
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作・絵:せな けいこ
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