●インターナショナルアカデミー絵本教室と手作り絵本サークル
───絵本作家になろうと思ったきっかけはなんですか?
小さい頃から絵を描くのが好きだったんです。小学校の卒業文集では「絵本作家になる」って書いていたんですよ。ただ本気で絵本作家になりたいと思ったのは、30歳のときですね。京都のインターナショナルアカデミー絵本教室で高畠純先生や黒井健先生に教えてもらい絵本を制作しました。それがデビュー作『よーいよーいよい』(ひさかたチャイルド)でした。その絵本をきっかけにリーブルさんから『きしわだのだんじりまつり』のお話をいただき、さらに「あっちゃんあがつく」に繋がっていきました。
───その後、『しりとりしましょ! たべものあいうえお』や『おしゃべりさん』など、食べ物の絵本が増えていくわけですね(笑)
手作り絵本のサークルも主催されていると伺ったのですが、手作り絵本とはどういったものなのですか?
手作り絵本のサークルを始めたのは、ちょうどインターナショナルアカデミー絵本教室に通っている頃なので、かれこれ14年くらい続いています。毎月1回、大型児童館で絵本を作るんです。毎回100人くらい親子が集まるのですが、テーマを工夫したり、いろんな画材を使ったりして常に新しいことが出来たらと思っています。サークルを通じて感じるのは子どもの発想のすごさですね。「え、こんな方法があったの?!」っていう画材の使い方や、おはなしを作ってくれるので刺激になります。うちは息子がそろそろ絵本を離れる時期なので、サークルに参加してくれる子ども達から今の子ども達の考えていることを感じられて、絵本を作る力になることも多いですね。
アイデア満載の手作り絵本!刺激を受けて作りたくなっちゃいますよね。
●息子と絵本と読み聞かせ
───さいとうさんには小学校4年生になる息子さんがいらっしゃるそうですが、絵本作家のお仕事と、子育ては大変でしたか?
私の場合、「しりとりしましょ!」を作っているときに息子がお腹にいて、絵本が出来上がったときに3歳になっていました。出産、育児真っ盛りのタイミングで絵本を作っていたのですが、正直、「しりとりしましょ!」を描いた記憶があまりないんですよね…(笑)。息子を抱っこしながら、しりとりを考えて、寝てないし、寝かさなきゃいけないし、絵も描かなければいけないし、おっぱいあげたり、オムツ替えたりで…、しりとりの案は編集者さんにすごくお世話になりました。
───息子さんには絵本の読み聞かせをされましたか?
小さい頃から寝る前には必ず絵本を読んでいました。多いときでは8冊くらいを1冊につき2〜3回読むこともありました。
───絵本を選ぶときの基準などはありましたか?
───そうなんですか。
───うちでもチャレンジしてみようかな…(笑)。息子さんはさいとうさんの作品について、アドバイスをしてくれることもあるんですか?
息子自身はそのつもりはないと思いますが、私は息子にすごく助けられてますね。息子が6ヶ月くらいのときに常にモニョモニョと口を動かして何か言っていたんですね。それを見て私は「おしゃべりさんやなー」って思ったんです。それがそのまま『おしゃべりさん』の絵本のタイトルになりました。あと、最新作についても重要なポイントでアドバイスをしてくれました。
───最新作は『どっきりかぞえうた ちょっぴりこわいぞ』。1から10までかぞえうたに乗って、いろんなオバケや妖怪が出る絵本ですね。
そこに登場する人間の男の子のモデルが息子です。あと、「どっきりかぞえうた」というタイトルを提案してくれたのも、最後の写真撮影の場面で七面鳥のクイズの言葉を考えてくれたのも息子なんです。
───すごい強力なアドバイザーなんですね。
小さい頃から絵本を読んできたからか、矛盾点を的確に付いてくるんですよね。それが自分でもうすうす感じている部分だったりするので、もうぐうの音も出なくなります…(苦笑)。
───最新作のお話が出ましたが、これからどんな作品が出る予定ですか?
目下の目標としては『あっちゃんあがつく たべものあいうえお』『しりとりしましょ!たべものあいうえお』に継ぐ第3弾を出すことです!
───おお! 本当ですか!
もう方向性は決まっているので、あとは描くばかり…なんですが。あっちゃんの世界がより楽しめる絵本になる予定です。是非楽しみにお待ちいただければと思います。
───期待の高まる次回作のお話も伺えて、嬉しいです。
今日はありがとうございました。
記念にパチリ。
素敵なサインもいただきました。「絵本ナビさん え がつく」…なんでしょう??
(編集協力:木村 春子)