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《スペシャルコンテンツ》インタビュー

2012.11.15

おいしい食べ物、おいしい言葉
さいとうしのぶさんインタビュー

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インターナショナルアカデミー絵本教室と手作り絵本サークル

───絵本作家になろうと思ったきっかけはなんですか?

小さい頃から絵を描くのが好きだったんです。小学校の卒業文集では「絵本作家になる」って書いていたんですよ。ただ本気で絵本作家になりたいと思ったのは、30歳のときですね。京都のインターナショナルアカデミー絵本教室で高畠純先生や黒井健先生に教えてもらい絵本を制作しました。それがデビュー作『よーいよーいよい』(ひさかたチャイルド)でした。その絵本をきっかけにリーブルさんから『きしわだのだんじりまつり』のお話をいただき、さらに「あっちゃんあがつく」に繋がっていきました。

───その後、『しりとりしましょ! たべものあいうえお』や『おしゃべりさん』など、食べ物の絵本が増えていくわけですね(笑)
手作り絵本のサークルも主催されていると伺ったのですが、手作り絵本とはどういったものなのですか?

手作り絵本のサークルを始めたのは、ちょうどインターナショナルアカデミー絵本教室に通っている頃なので、かれこれ14年くらい続いています。毎月1回、大型児童館で絵本を作るんです。毎回100人くらい親子が集まるのですが、テーマを工夫したり、いろんな画材を使ったりして常に新しいことが出来たらと思っています。サークルを通じて感じるのは子どもの発想のすごさですね。「え、こんな方法があったの?!」っていう画材の使い方や、おはなしを作ってくれるので刺激になります。うちは息子がそろそろ絵本を離れる時期なので、サークルに参加してくれる子ども達から今の子ども達の考えていることを感じられて、絵本を作る力になることも多いですね。


アイデア満載の手作り絵本!刺激を受けて作りたくなっちゃいますよね。

息子と絵本と読み聞かせ

───さいとうさんには小学校4年生になる息子さんがいらっしゃるそうですが、絵本作家のお仕事と、子育ては大変でしたか?

私の場合、「しりとりしましょ!」を作っているときに息子がお腹にいて、絵本が出来上がったときに3歳になっていました。出産、育児真っ盛りのタイミングで絵本を作っていたのですが、正直、「しりとりしましょ!」を描いた記憶があまりないんですよね…(笑)。息子を抱っこしながら、しりとりを考えて、寝てないし、寝かさなきゃいけないし、絵も描かなければいけないし、おっぱいあげたり、オムツ替えたりで…、しりとりの案は編集者さんにすごくお世話になりました。

───息子さんには絵本の読み聞かせをされましたか?

小さい頃から寝る前には必ず絵本を読んでいました。多いときでは8冊くらいを1冊につき2〜3回読むこともありました。

───絵本を選ぶときの基準などはありましたか?

本屋さんで自分が気に入った本だったり、書店の方にオススメされたものだったり、姪っ子が薦めてくれた絵本などを片っ端から、試してみましたね。読み聞かせる絵本についてはあまり難しく考えず、実験をしているような感じで読んでいたように思います。自分が好みで買った絵本よりも、書店さんが薦める方が喜んだりするのも、面白かったですね。
ある程度子どもが自分で選べるようになってきたら、「読んで!」と持ってきた本を一緒に楽しむようにしました。その甲斐あってか、今でも寝る前に一緒に絵本を読んでいますよ。

───そうなんですか。

さすがに、今は『大どろぼうホッツェンプロッツ』(偕成社)『いえでぼうや』(理論社)や『くまの子ウーフ』(ポプラ社)などの幼年童話を読んでいますが、時々、「今日は絵があった方が良いわ」って絵本を持ってくることもあります。
母としては、「そろそろ1人で読んで」って思うんですけど、「読んでもらえないと眠れない」って言うので(笑)。
でも、2人で読むと1人で読んだときとまた違った面白さが味わえて、新鮮ですよ。隣で聞いている息子がグッと作品の中に入っていく感じが分かったりして。オススメです(笑)。

───うちでもチャレンジしてみようかな…(笑)。息子さんはさいとうさんの作品について、アドバイスをしてくれることもあるんですか?

息子自身はそのつもりはないと思いますが、私は息子にすごく助けられてますね。息子が6ヶ月くらいのときに常にモニョモニョと口を動かして何か言っていたんですね。それを見て私は「おしゃべりさんやなー」って思ったんです。それがそのまま『おしゃべりさん』の絵本のタイトルになりました。あと、最新作についても重要なポイントでアドバイスをしてくれました。

───最新作は『どっきりかぞえうた ちょっぴりこわいぞ』。1から10までかぞえうたに乗って、いろんなオバケや妖怪が出る絵本ですね。

そこに登場する人間の男の子のモデルが息子です。あと、「どっきりかぞえうた」というタイトルを提案してくれたのも、最後の写真撮影の場面で七面鳥のクイズの言葉を考えてくれたのも息子なんです。


───すごい強力なアドバイザーなんですね。

小さい頃から絵本を読んできたからか、矛盾点を的確に付いてくるんですよね。それが自分でもうすうす感じている部分だったりするので、もうぐうの音も出なくなります…(苦笑)。

───最新作のお話が出ましたが、これからどんな作品が出る予定ですか?

目下の目標としては『あっちゃんあがつく たべものあいうえお』『しりとりしましょ!たべものあいうえお』に継ぐ第3弾を出すことです!

───おお! 本当ですか!

もう方向性は決まっているので、あとは描くばかり…なんですが。あっちゃんの世界がより楽しめる絵本になる予定です。是非楽しみにお待ちいただければと思います。

───期待の高まる次回作のお話も伺えて、嬉しいです。
今日はありがとうございました。


記念にパチリ。

素敵なサインもいただきました。「絵本ナビさん え がつく」…なんでしょう??

(編集協力:木村 春子)

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さいとう しのぶ(さいとうしのぶ)

  • 大阪府堺市生まれ。嵯峨美術短期大学洋画科卒業。
    インテリアテキスタイルなどのデザイナーを経て、
    インターナショナルアカデミー絵本教室に学ぶ。
    現在、絵本の創作を続けながら、親子で参加する手づくり絵本サークル「ぴーかーぶー」で、手づくり絵本を広める活動をしている。堺市在住。

作品紹介

あっちゃんあがつく たべものあいうえお
あっちゃんあがつく たべものあいうえおの試し読みができます!
原案:みね よう
作:さいとう しのぶ
出版社:リーブル
たべものかるた あっちゃんあがつく
原案:みね よう
作:さいとう しのぶ
出版社:リーブル
おしゃべりさん
おしゃべりさんの試し読みができます!
作・絵:さいとう しのぶ
出版社:リーブル
しりとりしましょ!たべものあいうえお
しりとりしましょ!たべものあいうえおの試し読みができます!
作・絵:さいとう しのぶ
出版社:リーブル
もういっかいおしゃべりさん
もういっかいおしゃべりさんの試し読みができます!
作・絵:さいとう しのぶ
出版社:リーブル
おかしなおかしなおかしのはなし
おかしなおかしなおかしのはなしの試し読みができます!
作・絵:さいとう しのぶ
出版社:リーブル
しつもんおしゃべりさん
しつもんおしゃべりさんの試し読みができます!
作・絵:さいとう しのぶ
出版社:リーブル
へんてこかぞえうた 1ちゃんいちにち
へんてこかぞえうた 1ちゃんいちにちの試し読みができます!
うた:高木 あきこ
絵:さいとう しのぶ
出版社:リーブル
どっきりかぞえうた ちょっぴりこわいぞ
どっきりかぞえうた ちょっぴりこわいぞ の試し読みができます!
うた:高木 あきこ
絵:さいとう しのぶ
出版社:リーブル
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