●1作目は「ミッケ!」を意識しすぎて、一番心残りがある作品です……。
───シリーズの中で『どこどこ?セブン(2) クリスマス』が一番人気だと伺いましたが、そのほかに思い入れの強い作品や、オススメの作品はありますか?
思い入れが強いのは断然1冊目の『どこどこ?セブン(1)』ですね。ただ、あまりにも「ミッケ!」をイメージしすぎたからか、ぼくの中で一番想像と現実がかい離している心残りのある作品でもあるんです……。
───とても意外です。
2作目以降は、自分の中でもできることのイメージが定着してきたので、それほどギャップを感じることは少なくなりました。その中でも個人的に好きなのは、『どこどこ?セブン(10) いろ、いろいろ』です。
───色をテーマに世界を作り上げていて、とても印象に残る一冊ですね。
この中でも特に「いろ?」のページが好きですね。モノトーンなんだけど、単調にならずに深みのあるトーンを出せたのが気に入っています。全体的に今までの世界観と違うことができたのもよかったと思いますね。
『どこどこ?セブン(10) いろ、いろいろ』より「いろいろ!」
───『どこどこ?セブン(4) こわい』も今までとまた違う世界観になっていると思います。
そうですね。「こわい」というテーマは「ミッケ!」にもあったと思うので、オマージュかもしれませんね(笑)。ただ、「どこどこ?セブン」では、ぼくたちらしい和のテイストを出せたのが良かったと思います。この表紙も特に気に入っています。黒ではなく「暗闇」を表現したいと思っていて、チームでいろいろ工夫して、闇の感じが出せたのが嬉しかったですね。
どこどこ?セブン(4) こわい』では、「このかげ なんのかげ?」のふすまに写った女性の姿とかが本当に怖くて……。じーっと見ていると見えてはいけないものまで見えてくるような気がします……。男の子と女の子で好きな作品が異なることはありますか?
『どこどこ?セブン(4) こわい?』より「このかげ なんのかげ?」
ぼくが知る限りでは、あまり男女差は感じないですね。例えば表紙の色などを見て、『どこどこ?セブン(8) たからさがし』はメタリックな印象があるから、男の子が興味を持つとか、『どこどこ?セブン(7) いろいろなくに』はお菓子の表紙だから女の子に人気があるということはあるかもしれません。なので、もっと明確に男の子と女の子に楽しんでもらえるよう考えたのが『どこどこ?セブン ガールズ』と『どこどこ?セブン ボーイズ』です。
───この2冊は「どこどこ?セブン」シリーズの中から男の子用、女の子用に再編集して出版されたものですね。
そうです。これ以外にも、本のサイズを少し変えた「どこどこ?セブン もっと」というシリーズも出版しています。難易度は「どこどこ?セブン」シリーズよりも優しいので、小さいお子さんにはこちらもオススメです。
「どこどこ?セブン もっと」シリーズ
───シリーズスタートのお話から、各作品の思い入れまでいろいろ伺うことができた楽しかったです。最後に絵本ナビユーザーへのメッセージをお願いします。
ぼくは、この「どこどこ?セブン」シリーズはとてもシンプルな作品だと思っています。7つというキーワードさえ分かっていれば、お子さんだけでも楽しんでいただけます。答えを載せていないのも、分からなければ分かるまで何度でも探そうと思う好奇心と忍耐力を身に着けることにつながってほしいという思いも込めました。どのページからはじめても楽しんでもらえますし、どの作品から手に取っていただけてもその作品それぞれの世界に入り込めると思います。きょうだい、家族と一緒に何度でも楽しんでもらえたら嬉しいです。
───ありがとうございました。