絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  イギリスで話題のクリスマス絵本『こえだのとうさん』 訳者 いとうさゆりさん インタビュー

───『こえだのとうさん』を読む日本の子どもたちに、どんなふうに絵本を楽しんでほしいですか?

子どもを持つ母親として、一緒に絵本を読む時間は、陽だまりのような温かさを共有できる時間だと思っています。そして、『こえだのとうさん』を待ち受ける数々の試練のあと迎えるハッピーな結末に、子どもたちだけでなく大人もにっこり笑顔になってくれるといいなと思っています。そして、この絵本を読んだ後に、私たち家族もそうだったように、道端に落ちている小枝を目にしたとき、「こんな小枝の家族がいるかも」と想像力を働かせて、お話の続きを考えて空想の世界を楽しんだり、森の冒険に出かけてもらえたら、嬉しいです。

───絵本を読んだあとは、森の小枝を拾うだけでも、いろんな想像が膨らみそうですね!

ドナルドソンさんも、子どもにもっと外で遊んでほしいという願いを持っていましたが、私自身も、忙しい今の時代には、子どもだけでなく、大人にとっても、自然の中で過ごす時間がとても大切だと思います。森の中に入れば、自然と鳥のさえずりに耳を澄まし、四季の移ろいを感じ、草花を愛でたり、時には、森に住む小動物に出くわしたりと、新鮮な発見の連続ですから、こういう経験をもっとして欲しいなと思います。子どもたちにとって、珍しい植物や鳥の名前を調べるきっかけになったり、自然に対する好奇心が育まれる機会にもなるのではないでしょうか。
森に遊びに行ったら、小枝を使ったアートを創作したりするのもおすすめですよ。自然の中で、絵本の読み聞かせをしながら、イベントを開催するのも楽しそうで、私も是非やってみたいと思っています。


枝や実を使った遊び


オーナメント作り

───最後に、絵本ナビユーザーへメッセージをお願いします。

翻訳家としては駆け出しですが、原作者のお二人をたくさんの日本の皆様に知ってもらいたくて、お話させていただきました。この本との出会いと出版を機に出会ったすべての人々に感謝します。一つの作品を理解する上で、作者の思いや考えに触れることがすごく重要だと思っていましたが、こうして翻訳者から見た著者のこと、作品のことを少しでもお伝えすることができて嬉しいです。
イギリスで大人気のコンビが作り出した絵本、『こえだのとうさん』の世界を、ぜひ親子で楽しんでみてください!


「とうさん」マスコット、絵本、DVDを手にパチリ

日本で広がる『こえだのとうさん』の世界

いとうさんは、絵本の翻訳後、少しでもたくさんの人に「こえだのとうさん」を知ってほしいと、ブログとFacebookを立ち上げられたそうです。
ぜひチェックしてみてくださいね。


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読み聞かせ会の様子 (左)ノースダコタの日本語学校にて (右)吉祥寺バベルプレスにて


北海道の学校からノースダコタへ届いた子どもたちの感想文

構成・編集: 掛川 晶子

『こえだのとうさん(Stick Man)』の短編アニメーションが日本に上陸!!

【放送日】:2018年 3月18日(日) 午後4:00〜4:27 Eテレ https://hh.pid.nhk.or.jp/pidh07/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20180318-31-08807

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いとう さゆり

  • ハワイ大学文学部芸術人文学科卒業。ホノルルの会計監査事務所で、コンサルタントとして勤務。夫の転勤に伴い、世界各国を回り、現在、カナダのウィニペグに在住。『こえだのとうさん』がデビュー作。絵本翻訳をはじめ、暮らしを豊かにする情報や心と身体が元気になる書物の翻訳に関わる。将来の夢は、日本の素晴らしい絵本を海外に紹介すること。バイリンガル読み聞かせの活動も行っている。

作品紹介

こえだのとうさん
こえだのとうさんの試し読みができます!
作:ジュリア・ドナルドソン
絵:アクセル・シェフラー
訳:いとう さゆり
出版社:バベルプレス
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