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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  おなかがすいちゃう!おいしくて楽しい仲間たちのお話「パンダのポンポン」シリーズ 野中柊さんインタビュー

見ているだけでお腹が空いちゃう! 食べものと挿絵の魅力

───あまりに毎回美味しそうなので、この美味しそうなものを書きたいからお話を書いているのでは!? と想像しちゃうくらいなのですが…。野中さんは、お話を先に考えて、それに合った食べものを考えるのでしょうか。それとも食べものにあわせてお話を考えますか?

お話を引っぱっていくエピソードが先で、それから、食べものですね。野原でピクニックをしよう、海水浴にいこう、次はキャンプだ! それから、運動会、クリスマスパーティ……じゃあ、ふさわしい食べものは何かな? ポンポンはどんなものを作ってくれるのかな? と考えます。

パンダのポンポン(3) クリスマスあったかスープ
作:野中 柊
絵:長崎 訓子
出版社:理論社

楽しみにしていたクリスマス。今年こそサンタさんが来てくれるかな? ポンポンのレストランでは、パーティーが開かれました。そして、ステキなできごとが! スーッと気持ちがよくなって、パーッと気分が明るくなるスーパーマーケットの店長、キリンのリンも活躍する、あたたかな読み心地の童話集。


七面鳥のロースト、エビのリゾット、お豆のサラダ、アスパラガスの煮こみ……。(『クリスマスあったかスープ』より)

───夏はアイスクリーム、とうもろこし、ピッツァ(『アイスクリーム・タワー』)。『クッキー・オーケストラ』の料理対決では、お寿司とパエリヤ。絵を見て思わずたべたい〜! と声に出しちゃうほどです。お料理は自然に思いつくのですか?

パンダのポンポン(4) アイスクリーム・タワー
作:野中 柊
絵:長崎 訓子
出版社:理論社

かわいい絵を描いたワゴン車に乗って、アイスクリームを売りにいこう。海水浴に行って、浜辺で焼きとうもろこしやのり巻きを食べよう。年に一度の街のお祭では、どんな屋台を出そう? たこやき? ピッツァ? パンダのポンポンと、個性的な動物たちが繰り広げる、夏においしい3つのお話です。

パンダのポンポン(5) クッキー・オーケストラ
作:野中 柊
絵:長崎 訓子
出版社:理論社

パンダのポンポンと、ねこのチビコちゃんがクッキーを焼いて公園へ持っていくと、いい匂いにみんなが集まってきて──。表題作「クッキー・オーケストラ」のほかに、おいしいもの対決が描かれた「おさかなバトル」と、動物たちがキャンプに出かける「マシュマロ・ファイアー」の3編が入った童話集。


みんな、お寿司にうっとり。(『クッキー・オーケストラ』より)


パエリヤ!(『クッキー・オーケストラ』より)

そうですね。わたし自身の食欲のおもむくままに、書き進めます。たとえば、新鮮な魚や貝があるなら、一方がお寿司で、もう一方はパエリヤだな、とか。運動会は、当然、パン食い競走だよね、とか。遊園地を訪れて、くるくる回る乗り物に乗ったら、くるりと巻いたクレープが食べたくなるんじゃないかな、とか(笑)。

パンダのポンポン(6) パンパカパーンふっくらパン
作:野中 柊
絵:長崎 訓子
出版社:理論社

運動会のパン食い競争、マジシャンのフラミンゴとダチョウをもてなすためのグラタン、遊園地で食べるクレープ。どこへ行っても、なにをしても、パンダのポンポンと仲間の動物たちが出会うのは、とびきりおいしくて楽しいこと。ユーモラスで、食欲をそそるできごとをつづる人気シリーズ第6弾。


パンを目がけて、走る! パン食い競走。(『パンパカパーン ふっくらパン』より)

───見ているだけでお腹が空きそう。挿絵も大好きです。

長崎訓子さんのイラスト、ほんとうに素晴らしいですよね。ポップでイマジネーションに満ちていて、線も色彩も独特のキレがあって。彼女とは以前から仕事のお付き合いがあったので、ポンポンもぜひ長崎さんに、とリクエストしました。ポンポンの前からご一緒していた仕事というのは、NHKラジオの英会話テキストに連載していたエッセイ(『きらめくジャンクフード』(文藝春秋/のちに文春文庫)。これもまた、毎回、食べものについて書いた、食いしんぼうエッセイだったんですが(笑)。長崎さんの挿絵が美味しそうなだけじゃなく、彼女ならではのイマジネーションに満ちあふれていて、すごく素敵だったんです。一枚一枚が、作品って感じでしたね。たとえば「レモンメレンゲパイ」のときには、パイのメレンゲに埋もれた女の子が遠くのレモンを双眼鏡でのぞいていたりするんですよ。

ほかにも、『テレフォン・セラピー』というエッセイ集の文庫(新潮文庫)のカバーを描いていただいたり、長崎さんの画集『Daydream Nation』(PARCO出版)にご依頼をいただいて、短編を二作ほど寄稿したこともありましたね。 ポンポン・シリーズについては、できることなら、すべてのページにイラストをいただきたい、とお願いしました。ちっちゃなカット、お花ひとつ、星ひとつでもいいから、と。ページ数が多くてたいへんだと思うのですが、長崎さんとデザイナーの杉坂和俊さんの工夫やアイディアで、どの巻もすごく可愛くなっています。

パンダのポンポン(7) サイクリング・ドーナツ
作:野中 柊
絵:長崎 訓子
出版社:理論社

パンダのポンポンは天才コックさん。街の動物たちがごちそうを楽しみに、ポンポンのまわりに集まってきます。サイクリングのあとの、おやつはドーナツ。ねこのチビコちゃんの風邪のお見舞いに宝石みたいな、きらきらのお菓子。山登りに行って、山の幸がいっぱいのシチュー。いずれもおいしい3つのお話。

パンダのポンポン(8) 夜空のスター・チャウダー
著:野中 柊
絵:長崎 訓子
出版社:理論社

ピクニックでは、フレッシュなレモンを使ったあまずっぱいおやつ。ある日のランチに、みんなで力をあわせて作ったギョウザ。パジャマ・パーティーのお夜食には、クラム・チャウダー。パンダのポンポンがいるところには、いつだって、おいしいものが! 読んでいると、お腹がすいちゃう食いしんぼう童話。

───『夜空のスター・チャウダー』のパジャマ・パーティーで、ジャッキーが着ているパジャマがゴージャスで素敵! ポンポンの、フライパンとパンケーキとバナナの模様がついたパジャマも、実際に販売してもらいたいくらい可愛いです。

「王国の舞踏会に着ていけるようなパジャマ」と書いて、どんなふうに描いてくださるかなあ、と思ったら、ジャッキーにぴったりの華麗なパジャマで(笑)。長崎さんの、ちょっとしたところの遊び心やアイディアが、毎回、期待以上なので、ほんとうに感動しています。


お夜食にチャウダーを作るところ。ジャッキーの華麗なパジャマ姿に注目!(『夜空のスター・チャウダー』より) *ポンポンシリーズのデザインやレイアウトは杉坂和俊さん。

───このたび特別に、9巻めの新刊『空飛ぶ おべんとうツアー』の挿絵原画を見せていただけるとか。あわせてお話のみどころを教えていただけますか?

第1話は、ツリーハウスを作るお話。はちゃめちゃなハプニングも起こるけれど、動物たちが協力しながら、みんなで家族みたいに過ごせるおうちを木の上に作るんですよ。思いきり伸びやかに遊ぶようにして働いて、素敵なツリーハウスを完成させ、お腹もぺこぺこになって、あたらしいおうちで美味しいごはんを食べるお話です。

パンダのポンポン(9) 空飛ぶ おべんとうツアー
作:野中 柊
絵:長崎 訓子
出版社:理論社

街の動物たちが広場に集まってツリーハウスを作ったり、きら星亭でバレンタインデーのパーティーを開いたり、飛行機で大空の旅に出たり──。この巻でも、また楽しいことが次から次へと! さて、仲間たちと一緒に食べるごちそうは、なんでしょう? 幸福感いっぱいの童話シリーズ第9弾!


みんなで過ごせる、木の上のおうちです。


設計図を見ながら、ツリーハウス作りを取り仕切るのは、やはりジャッキー。


ツリーハウスをペンキでぬりはじめますが……やんちゃ坊主たちのおかげで大変なことに!?

第2話はバレンタインデーのお話。日本では女の子が男の子に告白する日といわれますが、このお話では、本来のバレンタインデーのように、男女にかかわらず、みんなそれぞれが互いを愛していることをパーティーで伝え合います。チョコレートのお菓子がたくさん出てくるんですが、長崎訓子さんがとっても美味しそうに描いてくださっています! スノードームを手作りするエピソードもあって、盛りだくさんのバレンタインデーです。毎日がバレンタインデーみたいに、子どもたちが愛情いっぱいの楽しい日々を過ごしてくれたらいいな、と思って書きました。


お菓子に囲まれたポンポンとチビコちゃん。


スノードームの底はジャムの瓶の蓋。
おうちで作れそう。

キラキラしてきれい!

第3話は、表題の「空飛ぶ おべんとうツアー」。ジャッキーが仲間たちを招待して、飛行機をチャーターして大空に飛び立ちます。そして、機内食ではなく、ポンポンとチビコちゃんが徹夜で作ったおべんとうをみんなで食べます。
ここでも、もちろん、珍道中になるんですけど……空の上でちょっとこわいハプニングがあったときに、ポンポンが例によって「でも、おべんとうがあるから、だいじょうぶだよ」とのんきに構えていて。
書きながら、わたしも、「おべんとうがあるから、だいじょうぶ、わるいことは起こらない」っていう世界観はいいな、こういう気持ちで生きていかなきゃ、と思いました(笑)。


左の建物が、きら星亭。右奥にはツリーハウスの木が見えます。

長崎訓子さんにメールでご質問し、お答えいただきました!

ポンポン・シリーズの挿絵を描いている 長崎訓子さんにご質問 ☆

Q.描いていて好きなキャラクターは?

描いていて楽しいのはジャッキーです。動きがつけやすく表情も豊かなので。 ヘビの三にんむすめもあまり居ない感じのキャラクターなので好きです。

Q.描くのがむずかしいキャラクターは?

新しく登場するキャラクターはやはり難しいです。 登場シーンは少ないですが、世界観にすんなりと馴染ませるにはある程度時間もかかります。

Q.描くのが楽しかった食べもの、お気に入りのお話は?

「餃子」です。

Q.新刊『空飛ぶ おべんとうツアー』で、力を入れた絵はありますか?

飛行機関連の場面は力を入れた…というか、いつもの街のスケールから外に拡がっていくものでしたので、それまでの世界観を壊さないように気をつけるようにしました。

Q.挿絵にとりかかる際に心がけていることがあったら教えてください。

ごくごく簡単な物ですがキャラクターや背景を集めた自分用の設定集(スクラップブック)を作っています。シリーズ物の図版を担当するためには当たり前の作業だとは思いますが、それを見てから取りかかるようにしています。

Q.子どもの頃に好きだった絵本・童話・漫画を教えてください。

ドリトル先生シリーズパディントンシリーズ、ショヴォーの『年をとったワニの話』など、挿絵付きの翻訳読み物がとにかく好きでした。漫画はここでは挙げきれません(笑)。

     長崎訓子さん、ありがとうございました!


中扉の原画をぱちり。紙ヒコーキにつかまってクスクスが空を飛んでいます。ポンポン・シリーズは中扉も毎回素敵なのです。

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野中柊(のなか・ひいらぎ)

  • 1964年生まれ。立教大学卒業後、在米中の1991年に「ヨモギ・アイス」で海燕新人文学賞を受賞して作家デビュー。小説に『ヨモギ・アイス』『小春日和』『ひな菊とペパーミント』『きみの歌が聞きたい』『プリズム』『マルシェ・アンジュール』『昼咲月見草』『公園通りのクロエ』『波止場にて』、エッセイ集に『きらめくジャンクフード』、童話や絵本に「パンダのポンポン」シリーズ(現在9巻まで出版)『ミロとチャチャのふわっふわっ』『ようこそぼくのおともだち』『赤い実かがやく』『ヤマネコとウミネコ』など著書多数。

作品紹介

パンダのポンポン(1) パンダのポンポン
作:野中 柊
絵:長崎 訓子
出版社:理論社
パンダのポンポン(2) 青空バーベキュー
作:野中 柊
絵:長崎 訓子
出版社:理論社
パンダのポンポン(4) アイスクリーム・タワー
作:野中 柊
絵:長崎 訓子
出版社:理論社
パンダのポンポン(5) クッキー・オーケストラ
作:野中 柊
絵:長崎 訓子
出版社:理論社
パンダのポンポン(7) サイクリング・ドーナツ
作:野中 柊
絵:長崎 訓子
出版社:理論社
パンダのポンポン(9) 空飛ぶ おべんとうツアー
作:野中 柊
絵:長崎 訓子
出版社:理論社
ポンポンクックブック
作:野中 柊
絵:長崎 訓子
出版社:理論社
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