2020年、小学校でプログラミング教育が必修化することをご存知ですか? 我々親世代が子どもの頃にはなかった授業の登場に、「うちの子、ついていけるかしら……」と心配するパパやママは多いのではないでしょうか。 そんなパパ・ママにオススメなのが、『10才からはじめるゲームプログラミング図鑑 スクラッチでたのしくまなぶ』(創元社)です。プログラミングにはじめて出会う子どもたちでも、楽しみながらプログラミングの知識が身につき、やがてゲームを自作できるまでになる画期的な本です。今回は本書の魅力について、日本語版編集者の橋本隆雄さんにお話を伺いました。絵本ナビスタッフの親子による体験レポートもあるので、お楽しみに!
●『10才からはじめるゲームプログラミング図鑑』ってどんな本?
イギリス発! 子ども向けのプログラミング本です!
プログラミングの先進国、イギリスで生まれた、10才から楽しめるプログラミング指南書です。
使用するソフトは、インターネット上で無料ダウンロードできる「スクラッチ」。スクラッチはアメリカ・マサチューセッツ工科大学(MIT)で開発されたソフトで、難しいプログラミング言語を習得しなくても、色つきブロックを並べるだけで感覚的にプログラミング作業ができます。
ソフトのアカウント登録をすませて、この本を読みながら進めれば、だれでも無理なく自由にゲームを生み出せるのです。
- 10才からはじめるゲームプログラミング図鑑
- 著:キャロル・ヴォーダマン ほか
訳:山崎 正浩 - 出版社:創元社
アクションゲームやレーシングゲーム、迷路や音を使ったものまで、人気のプログラミング言語「スクラッチ」を使った8種類のゲームの作り方が学べます。 カラフルなイラストとわかりやすい図解で、楽しみながらプログラミングに取り組める解説書です。
●本の内容をチェックしよう!
@本書を読めば、スクラッチの基本がよくわかります!
スクラッチというソフトの存在を、この本で初めて知るという方も多いのではないでしょうか。まだ一部の人しか知らないこのソフトについて、ウェブ上のどこにあるのか、登録はどうしたらよいか、基本画面の使い方など、ごく初歩的なところからくわしく解説されています。
10才の子どもが一人で読み進められるように、すべての漢字にふりがながふってあるので、漢字が読めない年齢のお子さんからでもはじめられます。
A8つのオリジナルゲームを自分で作れます!
スクラッチ上で実際に制作できるゲーム課題が、本書には8つ載っています。迷路やアクション、レースなど、種類も豊富!
「氷の上のレース」「チーズをさがせ!」「ドラムで音あそび」など、タイトルを聞くだけでも楽しそうです。
ひとつひとつ、本を読みながらプログラミングしていくと、だれでもゲームが完成させられます。また、皆が同じものを作ることがゴールではなく、基本形を発展させて自分だけのゲームに作り替える方法も、毎ゲームごとに書かれています。
プログラミングの基礎的な知識を遊びながら身につけられ、さらに発想力も引き出してくれる8つの課題。子どもたちは、たちまち夢中になるでしょう。
Bゲームを通して視点が広がります!
「ソフトを使ってゲームを作る方法」以上のことを伝えてくれるのが、本書の注目ポイントでもあります。単なるハウツー本ではなく、ゲーム制作やプログラミングにまつわる「周辺のこと」にまで目を向けさせてくれるのです。
「周辺のこと」が書かれているのは、最初と最後の章。最初の章では、スクラッチの話題に入る前に、よいゲームには何が必要か、ゲームには雰囲気が重要、などの心構えをガイドしてくれます。
最後の章では、すべてのゲーム制作を終えた子どもたちに向けて、上手なプログラミングとは何かや、ゲームを作る仕事について触れています。
最初の章も最後の章も、本書でプログラミングに挑戦しようとする子どもたちがその時々で必要とする情報を、ていねいにフォローしてくれているのです。
また、全ページがカラーで、かわいいイラストがちりばめられているから、楽しみながら内容を理解できます。漢字にはルビがふってあるので、小さなお子さんでもスタートできますよ。
こうした細やかな配慮が、より子どもたちのやる気を引き出すことにつながります。
著者のキャロル・ヴォーダマンさんは、イギリスの人気タレントでありながら、数学・科学・工学をおもしろく、わかりやすく解説することに情熱を注いでもいる人物。特にプログラミングについては、子どもの頃から学ぶ機会をもつべきだと考えており、その思いが本書に実っています。
次のページでは、『10才からはじめるゲームプログラミング図鑑』を使って、プログラミングにチャレンジする親子レポートをお伝えします。