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むげんことわざものがたり(偕成社)

好評につき2刷!ことわざがつながって、ひとつの物語になったおもしろ絵本

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動物の口の動きがおもしろい! 注目のとびだす絵本『とびだすえほん たべるのだあれ?』すぎはらけいたろうさんインタビュー

ポップアップ絵本『とびだすえほん たべるのだあれ?』(東京書店)が刊行から1年で順調に増刷を重ねる、すぎはらけいたろうさん。ページを開いたり閉じたりすると、動物たちの口が立体的に動きます。インタビューの数日前には、世界的なデザイン賞を受賞されたというニュースも入ってきました。刊行1周年を記念して、お話をうかがいました。

とびだすえほん たべるのだあれ?
作:すぎはら けいたろう
出版社:東京書店

本を開いたり閉じたりするたびにパクパク食べているように口が動くしかけ絵本です。 「たべるのだあれ?」という問いかけに 「はーい!」と返事をしている動物を当てたり、 パクパクと一緒に食べる真似をしたりと、 楽しく遊べて、プレゼントにもぴったりの1冊です。

発売から1年で5刷するほどの人気絵本

───『とびだすえほん たべるのだあれ?』が、イタリア・ミラノに本部を置く国際デザインコンペティションADesign Award(エーダッシュデザインアワード)2021で金賞を受賞したそうですね。おめでとうございます!

ありがとうございます。A’ Design Awardは、100か国以上のデザイナーが参加する世界的なデザイン賞。『とびだすえほん たべるのだあれ?』は「グラフィック、イラストレーション、ビジュアルコミュニケーションデザイン部門」の金賞とのことで、ポップアップの構造も評価されたのではないかなと。絵本やデザインに国境はないので、世界で見てもらえるきっかけになったらいいなと思っています。



すぎはらけいたろうさん

───日本国内でも大人気で、絵本刊行から1年ほどで5回も重版がかかっているなんて、すごいです。

大手メディアに取り上げられたとかではなく、不思議と刊行1か月後くらいにはもう増刷が決まって。僕はこの絵本が5作目なのですが、こんなに続けて重版するのは初めてです。みなさんに気に入ってもらっているのかなと思うと嬉しいです。


「そろそろ おやつのじかんだな」(『とびだすえほん たべるのだあれ?』より)


「バナナ たべるのだあれ?」「はーい!」(『とびだすえほん たべるのだあれ?』より)


「はーい!」のページを横に開くと……「ウッキッキ おさるさん モグモグ モグモグ おいしいなぁ」(『とびだすえほん たべるのだあれ?』より)

とびだす絵本のアイデアは保育園での「わりばしゴム鉄砲」遊びから

───すぎはらさんは、以前、最初の絵本『あれあれなんだろな?』(発行:キッズレーベル、発売:自由国民社)が出版されたときに絵本ナビに遊びに来てくださったことがありましたね2010年夏。記事はこちら)

懐かしいですね。イギリスに2年いて、帰国したばかりの頃ですね。イギリス滞在中にイタリア・ボローニャ国際絵本原画展(2009年)に応募・入選して、本当はもっとイギリスにいたかったのですが、ビザの事情で帰国することになって。

当時、板橋区立美術館で毎年夏に開催される、イタリア・ボローニャ国際絵本原画展のポスターやチケットに、僕の入選した絵を使ってもらえてすごく嬉しかったです。入選をきっかけに日本で最初の絵本『あれあれなんだろな?』を出版することができました。そのときは親戚の男の子を思い浮かべて作っていました。


ボローニャ入選作(2009年)から生まれたポストカード

───あれから10年の間に、絵本だけでなく、空間デザインのアートディレクションなど幅広いお仕事を手がけられていますね。息子さんも生まれて……。

そうですね。息子は5歳になりました。『とびだすえほん たべるのだあれ?』は実は息子が生まれる前からアイデアを練っていた作品なんですよ。制作中にずいぶん実験台になってもらったので、息子は文字が読めなくても全部暗記しています(笑)。


「はっぱ たべるのだあれ?」「はーい!」(『とびだすえほん たべるのだあれ?』より)


「はーい!」のページを横に開くと……「メエメエ やぎさん アムアム アムアム おいしいなぁ」(『とびだすえほん たべるのだあれ?』より)

───「バナナ たべるのだあれ?」「はーい!」。ページを開いたり閉じたりすると、動物たちの口が「モグモグ」「アムアム」と立体的に動くのがおもしろいですよね。どんなきっかけで制作を思いついたのですか?

帰国後に開いた個展で、たまたま見に来てくださった保育園の園長先生が「芸術教育をしたい」と声をかけてくれて、世田谷区の保育園で5歳児クラス(年長さん)の子と一緒に、絵を描いたり工作して遊ぶ時間を担当することになったんですよ。2009年から8年間、毎月1回、その保育園に通いました。

あるとき子どもたちと「わりばしゴム鉄砲」を作って遊んでいて、的当て用に僕が紙を使ってパパッと顔を作ったんです。厚めの紙に適当に切り込みを入れて「オニだよ」と顔を作ったら、「あ、これ、口がパクパク動いておもしろいぞ」と。顔の紙を二つ折りにして立てて“的“にして、鉄砲で飛ばした輪ゴムがうまく当たるとパタンと倒れますよね。

そんな遊びをしているうちに、「これ、ポップアップ絵本にできないかな」と……。きっかけはそこだったと思います。


「紙に切り込みを入れると“顔”みたいになるんです」とすぎはらさん

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  • 絵とデザインの仕事を中心に、近年は空間デザインのアートディレクションやモザイクタイルの壁画など、幅広い仕事を手がける。様々な素材を組み合わせた作品は、ガラクタを集めたオーケストラのように、にぎやかで楽しいハーモニーを奏でる。「とびだすえほん たべるのだあれ?」「トトのかんぱい」「パタンパ!」「ピーターとおおかみ」刊行。2021年「とびだすえほん たべるのだあれ?」A’ Design Award 金賞、Indigo Design Award 金賞/2018年「ソレイユ川崎・それいゆ保育園」キッズデザイン賞/2009年イタリア・ボローニャ国際絵本原画展 入選

作品紹介

とびだすえほん たべるのだあれ?
作:すぎはら けいたろう
出版社:東京書店
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