●『おひめさまようちえん』からずっと探り続けてきた、女の子の気持ちがようやくつかめた
───今回の絵本や『おひめさまようちえん』などのシリーズを読むと、本当に女の子が好きなポイントを押さえていて、ここまで女の子のことが分かるのぶみさんを、女性作家さんと思っている読者もいるかと思うのですが…。
- おひめさまようちえん
- 作・絵:のぶみ
- 出版社:えほんの杜
アンちゃんがであった おひめさまようちえんは、キラキラのドレスを着て、楽しく遊べる夢の場所。 「あたし、毎日ここで遊びたい」そう言うアンちゃんに、園長先生は入園テストを受けるようにすすめます。 おひめさまようちえんの入園えんテストはどんなもの?アンちゃんは、おひめさまようちえんに入園できるでしょうか? デビュー10周年ののぶみが描く、すべての女の子がハッピーになれるおはなしです!
そう言ってもらえると嬉しいですね。『おひめさまようちえん』は僕の娘が生まれたときに作った絵本なんです。その頃、3歳くらいの女の子をターゲットにした絵本ってあまりないなぁと思っていて、女の子の好きなものをいっぱい詰め込んだ絵本があったら、喜ばれるんじゃないか…という、今思うと軽い気持ちでスタートしたんです。でも、描き始めたら想像していた以上に大変で…。だって、僕は男だから、お姫様になりたい気持ちが全く分からなかった(笑)
───そうですよね。
仕方ないから編集さんに相談するんだけど、彼女の意見を聞いてもあんまりピンと来なくて…。1作目は女の子の気持ちを手探りしながら作った作品です。その後のシリーズは、子ども達への読み聞かせで女の子の反応を見ながら、「あ、ここは好きなんだ」とか「こういうのはあまりウケないんだ…」と学びながら作っていきました。
───女の子の気持ちを探る上で参考にした作品などはありますか?

ディズニープリンセスは全部見ました。「シンデレラ」や「リトル・マーメイド」は劇場公開されていない2作目3作目まで観て、女の子が盛り上がるポイントを探りました。それで分かったのは、悲劇的なストーリーも必要だということ。シンデレラで継母に虐げられる場面や、泡になって消えてしまう人魚姫の設定も女の子は自己投影して盛り上がれるんです。それまで僕は、単にネガティブな場面だとしか感じられなかったんですが、女の子の作品を作っているうちに気づいたことですね。
───『あたし、パパとけっこんする!』も女の子の夢を叶える絵本ですよね。
- あたし、パパとけっこんする!
- 作・絵:のぶみ
- 出版社:えほんの杜
アンちゃんはパパがだーいすき。 「あたし、パパとけっこんする!」と言って、 お家で結婚式ゴッコをしています。 そんなアンちゃんの誕生日に パパがプレゼントしてくれたのは、 なんと本当の結婚式! お色直しをしたり、キャンドルサービスをしたり、 パパのお手製ケーキが出てきたり…。 アンちゃんとパパの結婚式の一日は楽しくって 幸せいっぱい! パパが大好きな女の子に贈る、 夢いっぱいのおはなしです。
───娘を持つパパ達に女心の指南書として読んでもらいたくなります(笑)。