●描きたい絵本はない。子どもが読みたいものを描いていきたい
───新幹線の「しんかんくん」や「仮面ライダー」など、今までにたくさんの絵本を作られてきましたが、これから、どんな絵本を作っていきたいですか?

実は僕、基本的に自分が描きたい絵本ってないんですよ。僕が絵本にしているものは、自分の子どもが興味のあるものなんです。仮面ライダーも新幹線も僕自身、子どもの頃に好きだったわけではなくて、息子がのめりこんだから、一緒に好きになってみるんです。その代わり、本気でのめりこみますよ。名前を全部覚えて、とことん調べて、実物を見に行く。息子がヘラクレスオオカブトムシを好きになったときは実際に本物を飼いました。
───そこまで子どもの好きなものに徹底しているのはすごいですね。
僕は子どものことを、すごく尊敬しているんです。子どもって大人の持っていないものを全部持っているんですよ。余計なことを考えないし、無心になって遊ぶし、子どもから学べることがたくさんあるので、その子ども達が喜んでくれるためにはどうするかをものすごく考える。その結果が僕の絵本になっています。
───のぶみさんの作品を見ると、その気持ちが十分伝わってきますね。私もそうですが、パパやママの中には、『あたし、ようせいにあいたい!』のママのように、忙しくてついつい子どもを怒ってしまう人もいると思います。のぶみさんは子育てで気をつけていることはありますか?
今、2人の子どもを持って感じるのは、子どもって親である自分のダメなところがはっきり分かるように生まれてくるんだなぁっていうことです。子どもに対して叱っていることは自分に当てはまることが多いんですよ。だから子どもを叱るのではなく、自分がダメなところを直すようにすると、子どもも自然に直っていることがあります。
───『あたし、ようせいにあいたい!』について、読者の方へのメッセージをお願いします。

───アンちゃんもママに見てもらうことが幸せなんですものね。
最後の言葉は編集さんから子どもには難しすぎるメッセージじゃないかと言われました。でも、僕は一回では分からなくてもいいと思った。分からなかったら分かるまで読んでくれるだろうし、今は分からなくても大きくなって読み返して、分かるかもしれない。それも絵本の魅力だと思っています。
●のぶみさんのアトリエの一部を見せていただきました。
壁には進行中の絵本の原画やキャラクター、テキストが。
本棚には大好きな絵本作家さんの絵本が並んでいました。
のぶみさんがキャラクターデザインから制作まで担当された、福島県を応援するゆるキャラ、「あたまがふくしまちゃん」。なんときぐるみも、のぶみさんご自身が発注したのだとか!折角なので、あたまがふくしまちゃんの中に入らせてもらいました。
超豪華!絵本作家さんのキャラクターと、あたまがふくしまちゃんのコラボ色紙の数々を見せていただきました!
あたまがふくしまちゃんのきぐるみ貸し出しは、「あたまがふくしまちゃんオフィシャルサイト」まで→http://www.fukushimachan.com/index.html
───ありがとうございました!

(編集協力:木村春子)