探偵帽にトレンチコート姿の少年ネートは「めいたんてい」。今日も相棒のスラッジと一緒に、数々の事件に挑みます。
日本では1982年に発売されて以降、子ども達の探偵心を刺激し長く愛されているこの「ぼくはめいたんてい」シリーズ。今回、30年ぶりに新刊が発売されることを聞き、「ネートの魅力をお伝えしたいです!」と出版元の大日本図書さんにオファーをしたところ、「適任者がいます!」とご紹介いただいた方。
それは、ネートを愛してやまない書店員・ジュンク堂書店池袋本店の市川さん。
今回のインタビューは、市川さんと出版元の大日本図書さんをナビゲーターに、探偵気分でネートの魅力を探っていきたいと思います。
●ネートの魅力 その1 「ぼくはめいたんてい」ってどんな作品?
ネートが主人公の「ぼくはめいたんてい」シリーズ(原題“Nate the Great”)は、アメリカの女流作家マージョリー・W・シャーマットが書いた児童向けの読み物です。アメリカでは、1972年に発売されて以来、40年にわたり子ども達の心を捉える人気シリーズ。日本ではこれまで「めいたんていネート」シリーズとあわせて12冊発売されています。
●ネートの魅力 その2 なかなか解けない! あっとおどろく謎ときは大人でもはまる。
───まず、市川さんと「ぼくはめいたんてい」シリーズの出会いの話からお伺いしたいのですが、こちらの作品とはどのように出会ったのですか?
市川:私は母親になってから出会いました。地域文庫をやっていた時期があって、その頃に読んだんです。
───最初に読んだときの印象を覚えていますか。
市川:すごく面白くて、ぐいぐいおはなしの中に引きこまれていきました。
50ページ前後のおはなしだと、謎解きといってもそんなに難しいと思わないですよね、でも全然解けなくて、楽しんだことを今でも覚えています(笑)。
───わかります! 普通の推理小説では途中で犯人が分かることもあるのに、このシリーズは本当に分からないんですよね。何度か読むと、絵の中にヒントが出ているのに気づくこともあるんですが、繰り返し読んでも飽きないですよね。
市川:うちの子ども達は2人とも「ぼくはめいたんてい」を読んで育ちました。最近では小学校のブックトークでも紹介するんですが、探偵モノが好きな子は多いので、1冊読むとどんどんシリーズを読破しています。
───特に子ども達に人気の作品はありますか?
市川:どの作品も好きだと思いますが、やはり1作目の『きえた犬のえ』を読んで、好きになる子が多いですね。このシリーズは1冊で1つの事件が解決するので、どの作品からでもよめることも子ども達が手に取りやすいポイントだと思います。
大日本図書:今日はアメリカで出版されている原書をお持ちしました。 ─── (一同)すごーい!
市川:アメリカ版は2種類出版されているんですね。
大日本図書:はい。ハードカバーの物が最初に出版されて、その後、表紙の紙が薄い、ペーパーバック版が出版されています。
───日本で小説が文庫化するようなイメージなんですね。アメリカのハードカバーとペーパーバックでは表紙が違っていて、見比べるととっても面白いです。日本で出版されたものはハードカバータイプと同じ表紙を採用していますね。
大日本図書:ペーパーバック版が出るまえに日本で翻訳されているからだと思います。ハードカバーからペーパーバックまで、10年以上たっている作品もありますから。