●街じゅうが迷路になる
───迷路絵本は、鈴木のりたけさんにとってはじめての試みだったと思うのですが、実際はどのように迷路を考案されたのですか。たとえば絵のラフが先にあって、絵のなかにうまくハマるような迷路の道筋を考えたのか、それとも迷路を考えるのが先で、迷路にあわせて街の絵を描いたのか・・・。

迷路絵本が生まれるきっかけになった一枚の絵を見せてくださいました。この絵から編集者とアイディアを重ね『おつかいくん』誕生に至ったそう。
───大人でも、大きな店内で、あの看板が下がっている棚にたどりつくにはどっちから行ったらいいんだろう?と迷うことってありますものね。
スーパーや市場って、実際は迷路になっているわけじゃないのに、たまたま人が並んでいるため通れない通路があったり、荷物が積んであってそれ以上進めないことが現実にある。そういう雰囲気を絵で出したかったのです。

───通路に人が倒れていたり、魚が落ちていたり、車でふさがれていたり、いろんな障害物があっておもしろい!
息子から「またいで乗り越えられそうなところは、乗り越えてもいいの?」と質問があったのですが。
───ちなみにわが家では「目がきらきらの星マークになってるよ」と言いたくなるくらい、息子がキャラクター探しに真剣で・・・(笑)。カバー折り返しの「おつかいくんのともだち」を特別キャラだと思ったようなのですが。

「どこかにいるよ」キャラのなかでのりたけさんのお気に入りは「もしかもしか」。変装してるけど、もしかして、かもしかですか?という意味なのだそう(笑)。発見できたらチェックマークにチェック!
───なるほど、じゃあやっぱり「おつかいくんのともだち」は特別キャラだったんですね!息子に教えなきゃ(笑)。
迷路についてもう少しお聞きしたいのですが、下描きはされるんですか。

表紙のラフ。すでにもうできあがっているみたい・・・?だけど地の迷路はよく見るとちがいます。

おつかいくんが海のなかに落ちた場面のラフ。
アップにするとこんな感じ。沈んだ船(タイタニック)も迷路です。

上記のラフがこうなりました!
───これをラフというんでしょうか!? すでにかなり完成されています。美しい・・・。
迷路って描くのがすごく難しそうですけど・・・。
───気持ちわるい迷路ですか?(笑)
脳のひだひだみたいなこまかーい迷路です(笑)。
───(笑)のりたけさんは小学生の頃からすでに、描きはじめた迷路を完成させる根気や、絵全体を俯瞰する力を持っていらっしゃったのかもしれませんね。









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