プラム村の、冬の夜あけまえのこと。かあさんぐまとサムぼうやは、ともだちみんなにケーキをやいている。あけがた、とうとうケーキはやきあがった。さあ、この「おいしい おくりもの」をくばるのは、だれでしょう?
「ぼうや、おくちをあけて」のエイミー・ヘストの作品です。ママとぼうやのイラストを見ると、この「サムなら…」は、たぶん「おくちをあけて」の続編だと思います。
この絵本を盛り上げてくれているのは、なんといっても、アニタ・ジェラームのイラストです!
わざと紙質を見せるこの質感に心地よい暖かみを感じるのは、わたしだけではないと思います。
テーマは『子どもの自立』でしょうか?
一晩かけて母子で作った美味しいケーキを、子どもの友達の家へ届ける話なのですが、母ぐまはいつも、お友達の家の近くで車をとめ、子ぐま(サム)に車から玄関まで歩いて届けさせるのです。
その時、必ず肩を抱きしめて「サムならきっとできるから」と、励ますのです。
見守るという、簡単そうでいて、これが中々難しい、母の愛情を、再認識させられる絵本でした。 (てんぐざるさん 30代・ママ 女の子9歳、女の子4歳)
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