私は何故か木(樹)の絵本が好きなので、この本も図書館で見つけて借りて帰ってきました。
古人の言葉、“大海の水も一滴から”とか“森羅万象、諸行無常”とかそんな言葉を感じ
させられる本でした。
リスが落とした1粒のどんぐりが芽を出して、何年・何十年・何百年もの歳月をかけて成長
していく。その傍らで、色々な生きものの営みがあり、段々と人間にスポットがあてられ、
人間の繁栄や愚行をじっとみつめてきた“かし”。 その“かし”も最後には、落雷で燃え
枯れてしまう...
でも、また、“始まり”が始まるかのように、どんぐりをくわえたリスが登場したところで
終わるこの話に、ただただ悠久の時の流れを感じるばかりでした。
次の何年・何十年・何百年の間にも人間は愚行と繁栄を繰り返してしまうのかな...
ページいっぱいに濃い色で描かれた絵がとても印象的な絵本でした。息子もその不思議な
魅力を感じたようでした。