秋、月、たぬきと連想して、たぬきの絵本を図書館でさがして手に取りました。
扉絵(含タイトル)もなく始まります。
ごろはちだいみょうじん いうても、
かみさんの ことやない。
たぬきの はなしや。
の、関西(奈良?)弁で、これは楽しそうと思って読みました。
むかしむかしのお話で、てんごしい(いたずらもの)のたぬきと上手に共存するために、村の衆が“ごろはち(たぬきの名)だいみょうじんさまさま”と奉って、時にはお揚げ?もお供えしていました。
ごろはちのわるさは、どれもこれも憎めない可愛らしいものばかり。
ときには、お詫びをこっそり届けたり。
村の衆も目くじら立てずに、しっかりのんびりだまされてやっています。
村に鉄道が敷かれ、日の丸の村の衆を見たとき、“戦争?”と嫌な事を連想してしまいましたが、ラストはもっと驚きました。
結び方がとても上手で、涙の後に笑いで本を閉じれました。
このストーリーにぴったりの絵でした。
ほのぼのゆっくりと時間がながれていたよき時代が、本当に良く伝わってきました。
息子は、「『ごんきつね』のたぬき版みたいだ。」と自分で音読し直してました。彼も、関西弁好きなんです。