いたずらの王者をめざし修行を続けるキツネのゾロリの冒険物語「かいけつゾロリ」。
1987年のスタートから巻を重ね、今年で58巻、累計発行部数はなんと3500万部を超える、超人気シリーズです。
そんな人気の裏には、おはなしの面白さだけではない、「本嫌いの子を本好きにする」隠れたメソッドがあることをご存知ですか?
今回は、まだ「ゾロリ」シリーズの本当の面白さを知らない大人のみなさまに、ゾロリの魅力をお伝えします!
●「『かいけつゾロリ』ってマンガでしょう……?」 いいえ! ゾロリには本好きになるメソッドがいっぱいつまっている幼年童話なんです!
「かいけつゾロリ」が28年にも渡り、子どもたちに支持されてきた理由。それはストーリーの面白さと、ページの随所にちりばめられた、子どもが夢中でページをめくりたくなる工夫にあったんです。
ポイント@
事件が事件を呼び、続きが読みたくなる展開にページをめくる手が止まらない!
ひとつの事件が解決した……と思ったら、次のシーンでは新たな事件が勃発! そのスピーディーな展開はさながらハリウッド映画のよう。 続きが気になってしまって、途中で本を閉じるなんてできません!
『きえた!? かいけつゾロリ』より
ポイントA
ゾロリが本から話しかけてくるから、自分も登場人物の一人になって楽しめる!
物語の中には、ゾロリが読者である子どもたちに話しかけてくるシーンがある本も! ゾロリと一緒に冒険をしているような臨場感があり、どんどんおはなしの中に引きこまれていきます。
檻に閉じ込めたはずのきょうりゅうが、ページを開くと檻が空いて、逃げられてしまいます。逃がしたのは……読者?!
ポイントB
迷路やクイズなどの遊びもいっぱい!楽しみながら物語を読むことができる!
物語の随所に、迷路やなぞなぞなど読者が参加できる遊びが自然に散りばめられているので、ますますゾロリの仲間になった気持ちになれます。
迷路
なぞなぞ
突然ですが、ゾロリにならってここでクイズです!
小学生の「朝の読書」で一番読まれている作品はなんでしょう?
答えは……なんと、「かいけつゾロリ」です!
しかも、2年連続1位を獲得しています。 さらに、現役東大生100人にアンケートを行ったところ、驚きの結果が!
子どもの頃に「かいけつゾロリ」を読んだことがありますか? YES:80%
読んだことがある人は、シリーズを何冊読みましたか? 10冊以上:50%
「かいけつゾロリ」を今の子ども達にも読ませたいと思いますか? YES:90%以上
「かいけつゾロリ」が子どもに与える良い影響として、「本を好きになる」と回答した人が90%以上。
約80%の学生が、子どもの頃「かいけつゾロリ」を読んでいたと答えているのです。
さらに「今の子どもに『かいけつゾロリ』を読ませたい」と答えた人が96%にもなり、子どもに与える良い影響として「本が好きになる」が最も多くあげられました。東大生に行ったアンケートからも、「かいけつゾロリ」が本好きになる入り口だったことが伺えます。
もちろん、絵本ナビのユーザーも「かいけつゾロリ」が大好き!
絵本ナビに寄せられた「こどもレビュー」の一部をご紹介します!

ゾロリがおもしろいいたずらをたくさんするのですきです。
このほんはイシシとノシシがにせもののドラゴンのみぎあしとひだりあしにはいっていたところがおもしろかったです。
ふたりがどうじにすすんだのでドラゴンがたおれておかしかったです。
(カスパール 6歳 『かいけつゾロリのドラゴンたいじ』)

わたしは、黒マントはゾロリたちのことを知っていて、前にあったんだと思いました。
なぜなら、黒マントがゾロリの名前を知っていたからです。
でも、今までにそんな人がいる話はありませんでした。もっと読んだら、正体がわかりそうなので、もっとよみたいです。その前にこのお話はつづいているようだったのであったらよみたいです。
(ぷちしゅう 8歳 『かいけつゾロリとまほう少女』)

つまり……
「子どもたちがハマる理由がある」
「現役東大生も読ませたいと思う」
「読んだ子どもの多くが本好きになる」
このすべての要素がつまっているのが、「かいけつゾロリ」シリーズなんです!
●ゾロリ若葉マークの大人たちに贈る、1分で分かる「かいけつゾロリ」ってどんなおはなし?
【シリーズ紹介】
いたずらの王者を目指すキツネのゾロリが弟子でふたごのイノシシ、イシシとノシシと繰り広げる、いたずらと冒険の物語。どんなピンチでもあきらめず、とくいのひらめきと発明でのりきるゾロリは、子どもたちのヒーローです。

【作者紹介】
原ゆたか
熊本県出身。「前作よりも、もっとおもしろいものを書きたい」「本の特性であるページをめくる楽しさを知ってもらいたい」と、いつも考えて作品を作っている。
ときどき、本のすみでかくれてゾロリたちをみまもっている。

子どもたちが「かいけつゾロリ」にハマる理由が、少しずつ分かって来たのではないでしょうか?
それでは、次のページから「かいけつゾロリ」シリーズの担当編集者・浪崎裕代さんにおはなしを伺いました。