
日暮れ時、はたけ仕事をしていた清作はおかしな声を出す男に会う。その背の高い画かきは、怒っていたかと思えば笑い出し、柏の木大王に招待されたから一緒に行こうと清作を誘う。 柏林に到着すると、林中の柏の木が気味の悪い声を出し、清作をおどす。 「せらせらせら清作、せらせらせらばあ。」 それもそのはず、清作は木こり。木を切るのが仕事なのです。 「おれはちゃんと、山主の藤助に酒を二升買ってあるんだ。」 清作が言えば、柏の木大王は答える。 「そんならおれにはなぜ酒を買わんか。」
そんな時、大きな月がのぼり、夏のおどりの第三夜がはじまった。 柏の木どもは、みんな順に自作の歌を歌い出す。 画かきは一等賞から九等賞までメダルをやると言う。 そこに年寄りのフクロウが参加するとやってきて・・・。
月夜の晩の幻想的な出来事。 赤いトルコ帽をかぶった画かきは一体誰なのか。 夏のおどりの第三夜とはどんなお祭りなのか。 霧が落ちてくるとどうなるのか。
なんだかはっきりしないまま、ふわふわと物語を読み進めながら、 それでも柏の木たちの歌自慢に、だんだん楽しくなってくるのです。 「赤いしゃっぽのカンカラカンのカアン。」 人と自然の不思議な関係。賢治の目には、こんな情景がいつも浮かんでいたのでしょうか。
小林敏也さんの、こだわりぬいた色味や用紙やインクで表現された絵や装丁が、よりいっそう雰囲気を盛 りたてます。特に最後の場面の美しい表現では息をのみ・・・。大人になるまで味わえる「宮沢賢治の画 本」シリーズは贅沢な絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

清作は柏の木大王に招待されたという画かきに連れられて林の中へ。そこでは柏の木たちの夏のおどりの第三夜がはじまり、みんなが順に歌いだす…。幻想的な夜を、用紙やインクにまで趣向を凝らして表現した逸品です。

宮沢賢治は、たくさんの童話を私たちに残してくれました。
かしわばやしの夜は、森の中の柏の木 木大王たちがのど自慢をすると言うおもしろい話です。
柏の木大王は さすがにごつごつした木で年期が入っています。
お月様の歌は、良い歌ですね。
私なりのふしをつけて 大きな声で歌うと気持ちが良いのです。
歌は良いですね、桃色のお月様も とてもかわいくて こんなお月様もステキです
順番に歌って、一等賞は白金メダル 二等賞は 金色メダル・・・・・九等賞のマッチのメダルは、笑えます、ニッケル とたん なまり ぶりきと 何だか懐かしい言葉を聞いて にんまりです
清作と木大王が言い争いする 絵が 又インパクトあって でも 余裕があって 争いにも 余裕を感じるのです。
森のフクロウまで出てきて 歌うの カラスやとんび おもしろい歌を歌っていて またまたにんまり・・・
賢治の生きていた時代は、森や おつきさん おほしさんと自然の関わり合いが深かったと感じました。
この絵本はそんな宮沢賢治の思いをうまく絵本にして、月のすかしは、気に入りました
子供より 大人の方が このお話は分かるのでは、
「あかいしゃっぽのカンカラカンのカアン」
この歌を つい口ずさみたくなるのです・・・・耳にのこって
宮沢賢治好きの方なら 一度読んでみてください! (にぎりすしさん 50代・その他の方 )
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