おひさまは、朝をみんなに知らせにいきます。
あたたかい日差しをいっぱいにそそいで…。
「にわとりさん おはよう」
「いぬさん おはよう」
「かなへびさん おはよう」
にわとりは、コケコッコーと力いっぱい鳴き、犬はしっぽをぶるんぶるんふって、「おひさま おはよう まってたよ」と答えます。
あれ? かなへびさんはどこへいったのかな?
あ、いたいた。大きな石にするするっとのぼって、朝の空気をかいでいます。
とんぼや、朝日に揺れるコスモスや、のびをするねこや…。
ページをめくるたびに、朝の空気の中で、生き物がしあわせそうにくつろいでいる姿があらわれます。
そしておひさまは、まだ布団で眠っている、そうちゃんのところにも、朝を知らせます。
「そうちゃん おはよう」
目を覚ましたそうちゃんは…?
そうちゃんのおうちの部屋の中に、小さな庭に、おとずれる朝の光。
起きあがったそうちゃんが、鶏小屋にかけこんで見つけたたまごにも、朝の幸福感がたっぷり詰まっています。
手のひらに、大事そうにたまごをのせたそうちゃんの姿を、ぜひ絵本でご覧下さい。
鶏、犬、昆虫、植物などの姿は、あたたかいリアルなタッチで描かれています。
光のぬくもりまで伝わってきそうな絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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