どろんこって気持ちいいですよね。
茶色でやわらかくて……おひさまが当たるところはあったかくて……。
そんな土の感触をのびのび描いた、どろんこ絵本です。
「いいですね いいですね とっても とっても いいですね」
ゾウが足元のどろを、鼻と足先で触りながら入っていった……と思ったら。
「ずぶり ごろん ごろ ごろ ごろ」
どろに背中をすりつけ、嬉しそうなゾウさん。
そして……「どろんこおばけ〜」。
まあ、ゾウさんたら本当にどろだらけ。
そこへやってきた子どもたち。
「なりたいな なりたいな どろんこ おばけに なりたいな」
わぁ、子どもたちも負けていません。
「ずぶり ごろん ごろ ごろ ごろ ……どろんこおばけ〜」
そしてやってきたのは……本物のおばけ?
絵詞(えことば)作家、内田麟太郎さんによる、子どもとどろんこの“いのちの讃歌”。
「いいですね いいですね」とニヤニヤしちゃいます。
絵は石井聖岳さん。のびやかで素直な、土遊びの喜びがあふれています。
飛び跳ねて、ころがって、頭のてっぺんから足の先まで、あったかいどろんこに包まれます。
きれいさっぱり洗い流すまで、歌うように読み終えて、最後はやっぱり「いいですね」。
エンドレスで読みたくなる、どろんこバンザイの絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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