災難は、いつふりかかるかわからない。
とつぜんもよおす、クシャミのように!
なに不自由なく幸せな、ネコ、イヌ、ウサギの三匹だって、よもやあんな大騒動に、まきこまれるとはつゆ知らず……。
「ヒャッッックション!
ハッッックチン!
ハッッップショーーーイ!」
とつぜんひびいた、クシャミ3発。
あたりが砂煙で見えなくなるほどの、とんでもなくおおきなクシャミです!
おどろいた3匹でしたが、おたがいの姿を見て、さらにびっくり!
ウサギの耳がネコに、ネコの耳がウサギについているではありませんか!
しかも、イヌはニャーと鳴き、ネコはワンと鳴くしまつ。
あのクシャミが原因にちがいないと考えた3匹は、急いでクシャミの主を探しにいくのですが──。
短編アニメ「頭山」や絵本『おやおや、おやさい』などで知られる、アニメーション作家、絵本作家の山村浩二さんが絵を手がける本作は、歴史あるアメリカの児童書シリーズ「リトルゴールデンブック」の人気タイトル! クシャミからまきおこる不思議な大騒動を描いた、ユーモラスなファンタジーです。
クシャミの主を追いかける3匹は、その道中で、他のクシャミ被害者たちと出会います。
靴が頭にくっついて取れなくなった少年や、トサカが取れてしまったおんどり……。
いったいなにがどうしてそうなったのか、しっちゃかめっちゃかな、クシャミ被害の数々。
笑ったらかわいそうなんだけど……やっぱりどう見てもちょっとオカシイ!
クシャミの主であるおじさんをたずねるたみんなは、これまたトンデモナイ方法で事態を解決へとみちびくのですが──。
「い、いかん! まだ、でる! ハッ……はやく、ハッ……にげろ!」
一難去ってまた一難……。
クシャミの声もその被害も、ぜんぶのページにヘンテコいっぱい!
絵本から読み物への移行にもオススメな、にぎやかでゆかいな一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
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