「すべては傷」とうたうチリの詩人。
1916年、南米チリに生まれた少年は、幼くして「図書館」という魔法の世界を発見した。読み書きも覚束ない状態で「稲妻」という言葉の響きに心を打たれ、それが「崩れ落ちる空一面に広がる美しい花火より」大きな力を秘めていることを直感した。長じては、美しい牧歌的な風景と太平洋に広がる無限の地平線に恵まれたチリの自然によってその感性を育まれた。
やがて彼は、日常的な出来事を根源的に探究する場として「詩」を綴る、20世紀チリを代表する詩人となった……。
波乱に富む生涯をおくった詩人の、初期から晩年までの代表作をまとめたアンソロジー。
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