大切な「たからもの」を大事に大事に箱にしまっていたおばあちゃん。大切なものが増えるたびに箱も増えていきます。
ある日、一番大切な箱をなくしてしまったおばあちゃんは、他の箱もなくしてしまうかも、と不安になり、おうちにずっといるようになりました。だんだん元気がなくなっていくおばあちゃんを見て、男の子は相棒の鳥「ポポ」と一緒に、おばあちゃんの箱を探しに出かけます。
まずは、おばあちゃんが箱を買ったお店から。親切な店主たちに導かれ、男の子はゲーム屋さん、市場、さらには神秘的な洞窟へと、不思議な世界をめぐりながら箱を探し続けます。けれどもおばあちゃんの箱はなかなか見つかりません。男の子の帰りが遅くなった頃、彼を心配したおばあちゃんの心に、ある「気持ちの変化」が訪れて……。
本作は、独自のファンタジー世界を描き出す六七質氏による初のオリジナル絵本。日常からあっという間に神秘的で幻想的な世界へと連れ出され、細かく描き込まれた絵や、木々、水、光など自然を描き出す色彩の美しさに魅了されます。とくに、洞窟でカワウソたちが見せてくれた大切な「たからもの」のシーンは圧巻の美しさ! 男の子が「たからもの」を探しに行く道すじは壮大な冒険のようで、物語の途中で登場するゲームや迷路の要素は、読む子どもたちのワクワク感をさらに高めてくれるでしょう。
目に見える「たからもの」はつい大事にしまいこみたくなるものかもしれません。しかし目に見えない「たからもの」の存在もかけがえのないもの。「たからもの」とは何か、本当に大切にすべきものは何かをそっと教えてくれる、心温まる一冊です。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
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