今日もあの子たちはどこかへ行っちゃった。そしてフランクはひとりぼっち。遠くから見ているフランクの前で、ほらまた。ティッティとパッレとミーランはあんなに楽しそう。フランクはひとりぼっちだというのに。毎日がこんなことのくりかえしなんだ。
でも、今日はちょっとちがった。
家に帰ると、目から涙があふれるフランク。それをお鍋で受け、たまった涙に砂糖をくわえ、ゆっくりじっくりくつくつ煮る。そうして出来あがるのがフランクお手製のマーマレード。ここまではいつもの毎日。ところが、開け放った部屋の窓の外に……。
がらんとした背景から感じるのは、フランクの感じている孤独感。いつも一方的に見ているだけで、誰からも気にかけてもらえない。そんな切羽詰まった気持ちが伝わってくる一方で、どこか飄々としたユーモラスな一面も描写されるフランクの姿。
多くを語らずとも、登場する小道具の一つ一つや、子どもたちの表情や目線、俯瞰で描かれる場面などから、物語の違う一面も浮かびあがってくるこの絵本。
作者はアストリッド・リンドグレーン記念文学賞受賞作家のエーヴァ・リンドストロム。コミュニケーションへの不安を抱えている子どもたちに共通する悩みをまるごと優しく包み込みながら、それでも複雑で繊細に絡み合いながら変化していくコミュニケーションの面白さを魅力的に描きだします。
この後、みんなはどんな時間を過ごしたのだろう。いつもと違う一日になったきっかけはなんだったんだろう。そんなことを色々と想像しながら読んでみてもらいたい一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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ともだちってむずかしい
みんな どこかへ いっちゃった。
そして フランクは ひとりぼっち。
これが、フランクの まいにち。
まいにちが こんなことの くりかえしなんだ。
――でも、きょうは ちょっと ちがった。
ともだちの輪に加わることができない少年フランク。仲良く遊んでいる子たちを遠くから眺めています。家に帰ると、悲しくてなみだが流れます。そのなみだを使って、マーマレードを作る毎日……。フランクが感じる「孤立」をユーモアたっぷりに表現するのは、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞受賞作家のエーヴァ・リンドストロム。さて、フランクの身に、今日はいったいどんな変化が起こるのでしょう。
【編集担当からのおすすめ情報】
抽象的なイラストと簡潔なテキスト、そして余白の多いレイアウトは、まるでフランクの寂しい感情をそのまま表しているかのようです。そんなフランクの気持ちに寄り添った、菱木晃子さんの訳文にもご注目ください。
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