「自分に誠実でないものは、決して他人に誠実であり得ない」「私は死ぬ前にたった一人で好いから、他を信用して死にたいと思っている」
急激な近代化をむかえた明治期、社会のしくみが変化して価値観が大きく揺れ動くなか、人々の心理を鋭く見つめ、不安や孤独を描いて民衆の心をつかんだ作家、夏目漱石。自分とは何か。どう生きるべきか。人間のかかえる苦悩と向き合った漱石の作品は、現代に生きるわたしたちの心にも強く響きます。
幼いころに養子に出され、肉親の愛に恵まれなかった漱石。その原体験は人生に暗い影を落とします。一方、漢文学の世界を好み、自らの意志で二松学舎に入って学ぶほど漢籍に熱中。兄に、漢文では食べていけないと諭されると、英語で身を立てるため大学予備門に入学。そのなかで、かけがえのない友人たちと出会います。大学では英文学を専攻。正岡子規との出会いもこの頃です。
子規たちと俳句をつくりながら、松山、熊本で教師として働いたのち、政府の辞令でイギリスへ留学。漢文のようには英文学を好きになれず、苦悩する日々。西洋人の真似ではない、自分の軸を持ちたいと切望します。帰国すると、教職を辞めて『吾輩は猫である』を発表、朝日新聞の専属作家となって次々に作品を発表しはじめます。
夏目漱石のことばや作品を味わうと、100年以上の時を経てなお、深く共感できることに驚くかもしれません。夏目漱石が生きた時代を理解するための資料、関係の深い人々、関連のある街の解説、豆知識やクイズなど、資料ページも充実。小学校4年生以上の漢字にふりがなをふりました。朝読にも最適です。
みんなが憧れるような生き方をしている人たちは、例外なく、自分のすべきことに没頭し、だれよりも多く挑戦し、そして失敗をしてきた人たちです。
この「心が強くなる! ビジュアル伝記」シリーズを読むと、そのことがよくわかるでしょう。
頭から順に読む必要はありません。
自由にパラパラめくりながら、気になることばを見つけて読んでみてください。
元気がほしいとき、心が折れそうなとき、お気に入りのことばがきっと背中を押してくれるはずです。
この本は、前からだけでなく後ろからも読めるようになっています。
紹介している偉人のクイズやおもしろネタ(雑学)から始めると、案外頭に入りやすくてオススメです。
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