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発明好きの叔父が幽霊を作ってしまった。偶然のことで作り方も消し方もわからない。そこである計画を思いつくのだが…。8編収録。

『星新一YAセレクション10』(理論社)。
表題作である「うらめしや」をはじめとして、8篇の「ショートショート」が収められた、YAすなわちヤングアダルト向けの児童書。
ちなみに、「ヤングアダルト」は子供と大人の間の世代を指す言葉で、13歳頃から19歳頃までの若者のことをいいます。
装幀・挿絵(それぞれの作品に挿絵がついています)は、和田誠さん。
「YAセレクション」の最終巻であるこの本の収録作品は8篇と、これまでのどの巻よりも少ないのは、「ショートショート」というよりも短編に近い作品も入っているからだ。
しかもそれが「時代小説」というから面白い。
3つの「時代小説」うち、ひとつが「元禄お犬さわぎ」。タイトルでわかるように、徳川綱吉の生類憐みの令の時代を巧みな知恵で生き残った男たちの姿をコミカルに描いて、あの時代をコンパクトにまとめた作品に仕上がっている。
もちろん重厚にあの時代を描いた正統「時代小説」はあるだろうが、その入り口の作品として読むのもいい。
まさに「ヤングアダルト」向け「時代小説」といえる。
2作めは「藩医三代記」。地方の小さな藩の、わずか50石の禄高でしかない藩医の親から子、そして孫にわたる壮大な物語。壮大な、と書いたが、そこは星さんの「ショートショート」の類であるから、決して長くはない。それでいて、壮大であるから不思議。
3つめは「紙の城」。江戸時代の書物方同心の、犯罪めいた姿を描いていて、物語の陰影が濃い作品。これなどは長い作品で読むと面白いだろう。
そんな「時代小説」を楽しめる、珍しい構成の巻に仕上がっている。 (夏の雨さん 70代以上・パパ )
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