主人公の理子の正義感がとにかく息苦しく、現代の子供達の中では(おそらく昔の子供達の中でも)生きにくさを感じる・・・そんな感じがしました。
でも正義を振りかざしていくまっすぐさを止めることが出来ない、そんな辛さも感じられ、その原因がラストで語られる事件の真相から来るものだった・・・ と分かると、何だか哀しいような辛いような、何ともいえない気持ちに・・・
冒頭の数ページが何だか不気味で、その構成の理由がここに繋がってくるのかと思うと、不気味な感じもありました。
「嘘吹き」という能力が良いスパイスになっており、理子の気持ちを波立たせているところも、息苦しさを際立たせていて、全体的に読みごたえがあったと思います。