涙の箱」 パパの声

涙の箱 著:ハン・ガン
訳:きむ ふな
出版社:評論社 評論社の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2025年08月18日
ISBN:9784566024892
評価スコア 4.33
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  • ノーベル文学書受賞以前の童話

    • 夏の雨さん
    • 70代以上
    • パパ
    • 埼玉県

    ハン・ガンさんは2024年にノーベル文学賞を受賞した作家で
     韓国人で初めてで、アジア人女性初めてで、1970年代生まれで初めてと初めて尽くしで、
     受賞後その作品は日本でもベストセラーになった。
     そして、この『涙の箱』は、そんなハン・ガンが描いた大人のための童話として
     2025年8月に刊行された美しい一冊だが、
     韓国で出版されたのが2008年ということだから彼女にとっては初期の作品になるだろうか。
     そういう意味では、ハン・ガンの入門書として入りやすいかもしれない。

     彼女がノーベル文学賞を受賞した際の受賞理由に、
     「人間の命のもろさを浮き彫りにする詩的散文」という一節があったようだが、
     この作品こそその「詩的散文」の力が遺憾なく発揮されているといえる。
     登場してくるのが、まわりの人たちから「涙つぼ」とからかわれるほど涙がとまらない女の子。
     この子の涙がとても貴重だと、彼女の前に現れるのが「涙を集めている」おじさん。
     おじさんが探しているのは「純粋な涙」。
     女の子の流す涙はきれいだけれど、本当の「純粋な涙」ではないとおじさんはいう。
     彼女の涙が「純粋な涙」になるには、もっと時間が必要だと、おじさんは教える。

     もしかしたら、ハン・ガン自身この童話を書いた時、
     彼女自身がそう思っていたのではないだろうか。
     もっと自分を鍛える、時間が必要だと。
     この童話から10年以上の時を経て、ハン・ガンはノーベル賞作家となったのだから。

    投稿日:2025/10/22

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