「人類の歴史を作った船の本」 自信を持っておすすめしたい みんなの声

電車から始まって、ロケット、飛行機、船と、乗り物なら何でも好きな息子ですが、
船に関する本では、この本がダントツ息子のお気に入りです。
大人から見ても、子どもが楽しめて、こんなに詳しくわかりやすい船の本は、今まで見たことがありません。
すばらしいです。
ヒサクニヒコさんの飛行機の本も息子のお気に入りですが、
とにかくトコトン取材された跡が伺え、
子ども向けの本だからといって、中途半端なことは一切せず、
1冊の本に取り組む姿勢は尊敬に値します。
大概において文句言いの私ですが、この本には文句の付けどころがありません。

電車は200年、飛行機は100年ちょっとの歴史しかない乗り物ですが、船はまさに人類の歴史とともに存在します。
船についての本を読みながら、
気付けば私たちは、人類の歴史を学んでいます。

息子は、この本を開きながら、
さっそくﾚｺﾞで、航空母艦と潜水艦、そして、航空母艦に乗せる飛行機も作り、戦争ごっこを始めました。
こんな時代に戦争ごっこかよ。と思わなくもないですが、
本から想像力を膨らませて様々な遊びに発展させる息子を見るのも楽しいものです。

ヒサさんの作品はこれまでも何作か読んできましたが、
一つの作品を作り上げるのに、根底にあるフィールドまでも丁寧に細かく描いてくれる作家さんだと思っています。
なので、この本を図書館で見つけたとk、思わず借りてきてしまいました。
タイトルがまた、すごいと思いませんか？
“人類の歴史を作った”って、どういうこと？と、思いませんか？
目次は5章に分かれていて、第1章では人類の進化の過程で、船という乗り物が世界各地でどのように生まれ、進化してきたかを当時の様子を考えながらざっくり説明してくれています。

それぞれの国の気候や地理に合わせた個性的な船は並べてみるとなかなか面白いです。
また、要所要所には「世界地図で探してみよう」というマークとともに、そのページで紹介している船やそれにまつわる出来事がピックアップされたイラストとともに紹介されていて、そのイラストの横についている番号を、本書の見開きについている世界地図で探すと、それが世界のどこで起きた出来事なのか見ることが出来るようになっています。

また、日本の船も、時代とともに変わってきた様子が見てとれます。
中高生や大人の方ですと、一昨年ほど前本屋大賞の大賞受賞した『村上海賊の娘』はご存知ですか？
この本の中に、まさに彼らが使っていたであろう『村上水軍』の安宅船も紹介されているので、要チェックです！

本文中、各所に＊印がついていて、巻末の用語解説コーナーを見れば、その言葉や物の意味や使い方などが書かれているので、とても読みやすいです。

「船」に興味のある人、「歴史」に興味のある人など、たくさんの人たちにぜひぜひ読んでもらいたい1冊です。