この本と私には長い因縁があります。今から40年以上前に、社宅に住んでいた私に、おさななじみの男の子のお母さんが機会があるごとに本をプレゼントしてくれました。
でも、当時(今もかも...)、本を読むのがそれほど好きではなかった私は、彼女がくれたいくつかの本を読み終えれなかったのです。
その中の1冊に、
・今のカレンダーでは考えられないような三十何日だから不思議なことが起きてもまったく不思議ではない
・ロバが出てきて、家に角砂糖をもらいにくる
・主人公とロバがタンスの中に入って旅に出る
という話があり、でも、それが誰が書いた本なのか、そしてどういう題名なのかさっぱり忘れされていて、もう10年近く一体なんという本なんだろうと思い続けていました。それほど、印象的な出だしだったのです。そしてつ続きが読みたい、今なら読めるのにと思い続けていました。
それがひょんなことから絵本ナビで五月三十五日という題名の児童書を見つけ、ピピっときました。これだ!!と。
読んでみたら、ロバではなく馬でしたが、出だしの内容は殆どあっていて、長年探していた本に再び会えて本当に嬉しかったです。
更に読んでみて、本当にびっくりしたのが、ケストナーもいわゆるSF小説家でもあったのでしょうか? 携帯電話や動く歩道のことがこの作品の中には電気の町のところに描かれていて、発表されたのは1930年代とのことなので、その時点で将来的にそんなものができると想像できていたことに、ただただ感服でした。そして、そういう便利を超えたところまでを描くことで、私たちに警鐘しているのもすごいです。
また大人の再教育の国ににも、思わず、私もうったえられてしまいそうと思いました。
念願かなって読み終えられて本当に良かった。