Mameko

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Mamekoさんの声

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自信を持っておすすめしたい 雨でも秋を満喫!できるバス遠足   投稿日:2025/10/10
大きな大きな絵本 あめの ひの えんそく(チャイルド本社刊)
大きな大きな絵本 あめの ひの えんそく(チャイルド本社刊) 作・絵: 間瀬 なおかた
出版社: チャイルド本社
小学校の特別支援クラスで読みました。
1年から5年生までの子たちがいます。

さあ、ぶどう狩り遠足に、雨の中、出発です。
聞いている子どもたちの心も
一緒にバスに乗ってくれるといいなあ、
と願いながら読み始めます。

トンネルをいくつもいくつも抜けて‥
そのたび、目の前の広がる秋の野山の景色に
教室では「わー」「えー」
気分はもう、ちょっとした遠足です。

かなり大きい絵本なので、見開きサイズの
パノラマは圧巻!
見渡す限りのキキョウの青いろ、
実った稲穂の黄金色‥‥
目が染まりそうです。

そのうち雨が小降りになってきて
空が明るくなってきたころ、ぶどう園に到着!
ぶどうのむらさき色もとてもきれい。
「シャインマスカットじゃないね〜」って
言ってくれた子がいました。

‥遠足って、バスの運転手さんガイドさんのお人柄も
子どもゴコロに妙に残るもの。
すてきな運転手さんであったことが、
裏表紙でさりげなく明かされるのにも
心がほんわか、あたたまります。

大きいサイズならでは楽しさにあふれた
「あめのひのえんそく」。
教室でぜひ子どもたちと秋の恵みを
堪能してくださいね。
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自信を持っておすすめしたい 本当に大切なものの価値に出会いなおす物語   投稿日:2020/12/21
モミの手紙
モミの手紙 作: ロバート・フロスト
絵: テッド・ランド
訳: みらい なな

出版社: 童話屋
季節は初冬、人々がクリスマスの準備に取り掛かろうという頃、とある農夫のもとに一人の男が商談にやって来る。本文にはないが絵では商人の身なりはいかにも立派で乗ってきた車も高級車然と描かれる。農夫と商人が対照的なのは外見だけではない。農夫は所有する山の数多のモミの一本一本が素晴らしく神々しいとさえ思うが、商人にとっては金を儲けるための商品でしかなかった。全く相容れるところのなさそうな二人だが、作者フロストは農夫の‥人柄ゆえか立場ゆえか、弱さ、卑屈さを織り込んでくる。農夫は商談に少なくとも表向きには乗ったかのように振る舞うことになる。「売る気はない」とつぶやきながら。山のモミを値踏みして回った商人の大言につい乗せられた農夫の「1本いくらです?」というセリフに読み手は《えっ?》と思うだろう。農夫はこうも独白する「どうして1本が3セントなのか」。フロストがただ強固な意志を持った正しく善き人を描こうとしていないことがよく分かるくだりだ。そうなのだ、人は常に揺れる心を抱えながら、その「揺れ」を通過してこそ、自分の大切なものを更に強く再確認するのではないか。その再確認が最後のページのモミの絵のカードに美しく結晶したように思う。途中にも印象的なページがある。その視線の先に全く異なるものを見ているに違いない二人の横顔が、まるで近しい者同士であるかのように重なって描かれているページ。とても示唆的で、多くのことを語りかけてくる。
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自信を持っておすすめしたい モノたちが静かに語りかけるのは止まってしまった時間の悲しさ   投稿日:2015/08/24
さがしています
さがしています 作: アーサー・ビナード
写真: 岡倉 禎志

出版社: 童心社
様々な本が、様々なアプローチで子どもたちに伝えようとしている昭和20年8月6日、ヒロシマ。
この絵本では、あの日あの時、突然止まってしまった時間の中に取り残され続けているモノたちが主人公です。その時刻をさしたままの壁掛け時計。食べてもらえなかったお弁当箱。いびつに歪んだビー玉。モノたちはそれぞれ時が止まる前の暮らしや思い出を語ります。そしてあの日の『ピカアアアアアッと』光った瞬間を。以来何かを探していることを。
それはまさにヒロシマの記憶そのものと言っていい。
詩人でもあるアーサー・ビナードさんの言葉は平明で率直です。感傷的でもなく、感情の昂ぶりもなく、淡々と紡がれた言葉たちはだからこそ、読む人の心の奥深くにしっかりとヒロシマを刻みます。そしてその出来事のたまらぬ理不尽さに私たちはおののくのです。
加えてアーサー・ビナードさんがアメリカに生まれ育った生粋のアメリカ人であることにも、ある種の感慨を持って読まずにいられません。あとがきに自国での学校教育において繰り返し原爆投下の『必要性と正当性を教えられた』とあります。その作者がこの絵本を作るにまで至った心の変遷はどのようなものであったでしょう。
証言者であるモノたちのポートレイト(写真)は眺めるほどに訴えかけてくるようです。「さがしています」と。そして「ノー・モア」と。
子どもにも、おとなにも、多くの人に手にとって欲しい一冊です。
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