「ごおー ぷすー ごおー ぷすー」
真夜中、ものすごい音が聞こえて目が覚めたれいちゃん。隣に寝ているあやちゃんを起こし、ふたりはくらい階段をのぼって2階へ確かめに行くことに。
「ごおおー ぷすー ごおおー ぷすー」
音がひびいている部屋のドアの奥からは、見たことのない葉っぱがぐんぐんのびている。懐中電灯で奥をそうっと照らすと……ベッドの上に眠っていたのは、山のように大きなかいじゅう! 思わずれいちゃんは走り出し、かいじゅうに向かってまっしぐら。あやちゃんも慌てて追いかける。お腹の上まで登りついた時、れいちゃんは深呼吸をしてから言うのです。
「かいじゅう ちょうさ、かいし!」
極彩色に彩られた心はずむ夜の時間。小さな姉妹ふたりが真夜中に出会ったのは、ピンク色のふさふさの毛におおわれた謎のいきもの。ふごふごと動く鼻の穴、さわると大きく開いたくちびるに、ぽよんぽよんとはねるお腹の上。おそろしいはずなのに、ふたりはどんどん楽しくなってきて、かいじゅうの上でおおはしゃぎ。得体のしれないものに出会った時の子どもたちの発想力ときたら、なんて豊かなのでしょう。
夢のようでいて、なんだか懐かしい感覚もよみがえってくるこのお話のタネとなったのは、作者の阿部結さんが、幼い頃に実際に聞いていたお父様の地響きのようないびきの轟音なのだそう。ドキドキとワクワクが入り混ざる冒険物語、一緒に楽しんでみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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真夜中、れいちゃんは
ものすごい音で
目が覚めた。
家のどこかで
「ごおー ぷすー」
という音がきこえる。
となりのベッドで
眠っている
あやちゃんを起こし、
ふたりは、
くらい階段をのぼって
二階へ。
お父さんとお母さんの
部屋をのぞいたら、
山のように
大きな、大きな
かいじゅうが、
ベッドの上で
眠っていた!
かいじゅうの調査を
始めたふたりは、
どんどん楽しくなり…?
小さな姉妹の楽しい夜を描く、
心はずむ絵本。
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