左は人間の手、右は色鮮やかなチョウの羽という表紙の写真。合成写真かな?と思ってよーくみてみると……。え?!これって、人間の手に絵を描いているの?!
絵本の中も不思議だらけ。まずはからだの一部の写真が示され、「グーチョキパーでなにになれちゃう?」「かかとをあわせてなにになれちゃう?」と問われます。ページをめくると、その体のパーツが思いも寄らないものに変身しているのです。ハサミだったり、山だったり、くだものだったり。からだがキャンパスになるというだけでも驚きなのに、それが本物のようなのでにわかに信じられず、画面を何度もまじまじと見てしまいます。
作者は『じゃない!』『やっぱりじゃない』(フレーベル館)も人気のチョーヒカルさん。人間の体やものにリアルなペイントを施すアートで注目を浴びているチョーさんですが、今回初めて、ご自身の代名詞ともいえるボディペイントの絵本を作られました。「想像力を大切に、自分の身体を今よりもっと好きになってほしい」という想いが込められています。
子どもも大人も一緒に驚き、一緒にワクワクできる作品。親子で「なにになるかな?」とクイズのようにして読み進めるのも楽しそうですね。巻末には「「なにになれちゃう?」ができるまで」として、撮影の裏側がわかるスナップ写真が公開されていますよ。また、目玉焼きのペイントができるまでの動画がフルで見られるQRコード付きなので、ボディペイントに興味が湧いたら、ぜひこちらもチェックしてくださいね。
(出合聡美 絵本ナビライター)
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