あなたが生まれた夜のこと。
輝く星のひとつが舞い降りて、そっとささやきます。
「あなたのことを せかいじゅうが まっていたよ。」
西の空の三日月は、夜空を切り取った毛布をふわりとかけます。
「あなたが いつも あんしんして いられますように」
胸が少しドキドキしているママの肩にもね。
森では、木や木の実、野花や虫たちがお祝いの相談をしています。
噂を聞きつけた南風は、あなたの眠るまちへびゅんと飛んでいきます。
みんながみんな。
せかいじゅうがあなたの誕生を祝福しています。
だって、あなたは…せかいのこども。
そうして、あなたのむねの中にひかりを灯してくれるのは…?
豊かな色彩の重なりで、世界の夜と迎える朝を、美しく描き出し、優しく語りかけるような言葉で誕生の喜びを感じることのできるこの絵本。読むたびに、心の中に光を浴びているような気持ちになるのです。
今まさに、この世に生まれてこようとしているあかちゃんに。
不安と緊張で身体をこわばらせているママに。
生まれてくる家族をまちわびている全ての人に。
それからもちろん、大切なあなたに。
「ふわり」と語りかけてあげてみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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