♪ あるひ もりのなか くまさんに であった ♪ みんなで歌えるあの童謡が絵本になりました。「もりのくまさん」は、ご存知の通り、森の中で1匹のくまに出会った女の子が、一度は「お逃げなさい」と言われてその場を立ち去るものの、くまが追いかけてきて忘れ物の貝殻のイヤリングを手渡されるというお話。歌詞に合わせて場面が展開しているので、歌いながらページをめくってストーリーを追うことができます。
歌いながら楽しめる「ひさかたチャイルド うたの絵本」シリーズは他にもたくさん出版されています。童謡を耳で聞くだけでなく目でストーリーも楽しめるのは、また違った味わいがありますね。作品それぞれに違った作家さんが絵を描いているというのもお楽しみの一つ。こちらは「パンダたいそう」シリーズ(講談社)や「ぴよちゃんのえほん」シリーズ(学研)などで大人気のいりやまさとしさんが担当。温かみのある優しいイラストは、子どもから大人まで虜にしてしまう魅力があります。
小さい頃から何度も歌った曲ですが、私はなぜくまさんが自ら「逃げなさい」と言ったのに追いかけてくるのだろう?と不思議に思っていました。でもこの絵本を読むと、そういうことだったのか!と違和感なくお話が入ってきます。なんだかすっきりしてうれしい気持ちになりました。
巻末には楽譜も掲載されています。いりやまさとしさんが描くかわいい女の子や動物たちといっしょに歌って踊って。親子で何度でも楽しんでください。
(出合聡美 絵本ナビライター)
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