壁や天井を、自由自在に歩けるアイテムがほしい? それ、じつはヤモリが使ってます。
勝手に水が溜まる水筒があったら便利? なんと、砂漠の虫が持ってます。
世界を変えるあんなアイデア、こんな思いつき。大自然のなかに実現のヒントが!?
ヤモリの手足を分析して発明されたのは、薄いシート。手のひらサイズで、オートバイを壁に吊るすことができるほど強くくっつきますが、めくりあげれば簡単にはがせるという、便利素材です。
空中の水分を体にまとい、それを水滴にして飲むナミブ砂漠の虫からは、とあるボトルが開発。なんと、置いておくだけで自然と水が溜まるのです。
動物や植物の身体の仕組みをヒントに、社会を変えるいろいろなものを作り出す発明家たち。そんな彼らを、人はミミックメーカーと呼ぶ!
科学と発見の目を育む一冊。米国科学振興協会2022年「AAAS/SubaruベストSTEM絵本賞」受賞の科学絵本です!
自然のなかにある仕組みを活かして、あたらしい技術や製品を作り出す『バイオミミクリー』。その分野で活躍する10人のミミックメーカーにスポットライトをあてて、彼らの発明と、その誕生を助けた生き物たちのおどろくべき秘密を紹介しています。
「すばらしい仕事というものは、すべて、ミミック(まね)に始まり、クリエイティブに終わる」とは、本書を監修した竹内薫さんが巻末に記した言葉です。
その言葉のとおり、本書に登場するミミックメーカーは、生物学者に微生物学者、グラフィックデザイナーにエンジニアと、その職業はさまざま。どんな分野においても、身近な不思議をとらえるミミックメーカーの好奇心は、世界を変える原動力になるのです。
バイオミミクリーってなに? ミミックメーカーになるには? 巻末のコラムでは、身近な世界から多くを学ぶための心構えとヒントがたくさん!
本書を読んだあとではきっと、世界がまだ見ぬアイデアと発見に満ちた場所に映るはず。
(堀井拓馬 小説家)
続きを読む