こうさぎが、もも色の耳をぱたんとねかせて、おめめをつぶっています。
“ねむねむ こうさぎ くう すう ぴい”
そのままねがえり、ひっくりかえり。
“こってん ぱったん ころりん”
ちいさなあくびもたまらない。
でもね、やっぱりかわいいのは……
“ねぼすけおちび”のおめめがあいて……
お母さんをよぶ“あーん あん えーん えん”の泣き声。
そりゃもう、うちのあかちゃんとおんなじです。
母さんうさぎは“とんとん”“ゆーら ゆら”とあやします。
こうさぎが安心してねむりにつくまで。
しずかな色合いの中、やさしい時間が流れます。
愛らしい絵は、うさぎを描くイラストレーターとして人気の森山標子さん。
文の麦田あつこさんは、かがくいひろしさんの「だるまさん」シリーズ、鈴木のりたけさんの「しごとば」シリーズ、ヨシタケシンスケさんの「発想えほん」シリーズなど、たくさんの絵本を手がけてきた編集者。
本作は森山さんのうさぎを絵本にしたいという麦田さんの想いから生まれたそう。
同時発売の『こうさぎぽーん』とあわせて、おふたりの絵本作家デビュー作です。
新米ママやパパが、寝顔に安堵してそうっと見つめるときや、すうすう寝ていたはずの子が泣いてどきっとするとき、ゆらしてあやすとき……。
はじめての子育てでふれる甘やかなひとときを、あかちゃんと味わえる絵本です。
そしてあかちゃんにとっては、泣いたら飛んできてもらえる安心感と、心地いいオノマトペが楽しいファーストブックです。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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