「いちばん すきなものを かきましょう」
参観日。絵が得意なくるみは、お母さんと見た丘一面に広がる菜の花畑の絵を夢中で描きます。でも、友だちや先生には自分の絵をわかってもらえませんでした。とっくに完成していたのに、まだ途中だと言うのです。
帰り道、胸の中にあったもやもやが膨らんでいき、くるみは菜の花畑の前で「うわあーっ!」と声に出して叫びました。その声を聞き、驚いて現れたのは蜂飼いのおじいさん。おじいさんは、くるみの話を聞いたあと、ゆっくりとミツバチの話をしてくれました。蜂蜜は、ミツバチの体を通らなければできないこと。くるみの絵はくるみの体を通ってできた、くるみにしか描けない絵であること。
「いい えじゃないか」
くるみは、もう一度自分の絵を見つめると……。
自分なりの見方や考え方が理解されない時、なんだかとても悲しい気持ちになってしまう事ってありますよね。心がもやもやしてしまうのです。そんな時、話を聞いてくれたり、声をかけてくれる人がいたら。それは何も先生や家族だけじゃないのかもしれませんよね。
画面いっぱいに美しく咲きほこる菜の花と、くるみのすっきりとした満面の笑みが清々しい、春にぴったりなこの絵本。きっと子どもたちの力になってくれるはず。蜂蜜が出来るまでの過程もしっかり学べます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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わたしはわたしでいいんだ!
大切なことに気づく、菜の花色の物語。
・落ち込んだ時、心のもやもやを吹き飛ばす感動の物語。
・よしむらめぐさんが描く鮮やかな美しい菜の花畑。
・ミツバチがはちみつを作り出すまでを分かりやすく学べる。
お母さんと見た美しい菜の花畑の絵を描いたくるみ。でも先生や友だちに自分の絵を分かってもらえません。落ち込んだくるみは、帰り道の菜の花畑で蜂飼いのおじいさんと出会います。おじいさんは「はちみつは、ミツバチの体を通らなければできないこと、くるみの絵はくるみの体を通ってできた、くるみにしか描けない絵であること、いいえじゃないか」と言葉をかけてくれます。美しい菜の花畑を舞台に、心のもやもやを吹き飛ばし前向きになれる物語。
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