首に唐草模様のふろしきを巻いたどろぼうねこは、海辺の町の商店街を縄張りにしているねこの親分です。
ある日、どろぼうねこがお風呂屋さんの屋根でうとうとしていると、うみねこ(海鳥)の一団が飛んできました。一羽が舞い降りてきて、海でカツオの群れを見つけたから、その群れに追われている小魚を食べにいくと言います。
遠くできらきら光っているカツオの群れは、うみねこには大きすぎるけど、「ほっぺたが おちるほど うまいらしいっすよ。いっしょうにいちど、たべてみたいもんっすねぇ」と言うのです。
そんなわけで、すっかりカツオが食べたい気分になったどろぼうねこ。行きつけの魚屋さんにカツオを探しに出かけ、いつものようにおじさんに「ひとつぬすんでいってもいいかな」と聞きます。ところが、いつもなら「いいよ」と言ってくれそうなおじさんが困り顔で、カツオの群れが見つからなくて漁師たちも困っているらしいと言います。
「自分でとって食うしかないな」と目をぎらりと光らせたどろぼうねこ。しっぽをさかだて、そらにむかい、「にゃおーーーーん」と声高らかに鳴きました! 一体何が起きるでしょう?
見どころは毛並みまでずっしりとした親分が、海の上にいるところ。どんなふうに海に浮かんでいるのか、ぜひ絵本を見てみてくださいね。絵を担当したかのうかりんさんが描く動物たちは目つきも体つきも迫力満点、しかもユーモラス。仲間のねこたちの表情から、性格の違いを想像するのも楽しいです。
それにしても、さすが「ねこやなぎとうぞくだん」の親分。どろぼうでありながら温情ある決めゼリフ。最後のオチも見逃せませんよ。
カツオが有名な高知県生まれの作家、こまつのぶひささんの文による絵本「どろぼうねこ」シリーズの一冊です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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