どんなに暗くても、きっと見つかる、希望の光。
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絵本紹介
2025.04.18
今年は例年より冬を長く感じました。ちょっと遅めにやってきた春だからこそ、うれしさもひとしお!ゆっくり花開いた桜、咲き誇る菜の花やチューリップに目も心もほころびます。お散歩やピクニック、外に出て春風に揺られながらこの季節をいっぱい楽しみたいですね。
春をテーマにした絵本も、気分をさらに盛り立ててくれますよ!
一度でいいから雪を見たいというカエルの願いとそれを叶えてあげたいキツネとウサギ。『はるのおくりもの』は友情と春の風景が優しく描かれた心あたたまる一冊です。春の野原を探検!どんな草花、鳥、虫たちと出会えるかな?春から夏にかけての移ろいも楽しめる『いぬのにっちゃん はるとなつ』は、自然観察のお供にもぴったり。誰にもとっても自分だけの桜の風景がある。そう感じさせてくれる『さくらが さいた』は、のんちゃんのおばあちゃんが戦争時代に過ごした春のおはなしです。
あたたかく、やさしく、明るい春の日差しの中で絵本を開くひとときも、今しか味わえない幸せ。お子さんと一緒に、たっぷりと堪能してください。
この書籍を作った人
1931年満州に生まれる。坪田譲治主催の童話雑誌「びわの実学校」の同人となり、1968年『車のいろは空のいろ』で第1回日本児童文学者協会新人賞、第6回野間児童文芸推奨作品賞を受賞。作品に『おにたのぼうし』(ポプラ社刊)『きつねのみちは天のみち』(大日本図書刊)『ふうたのはなまつり』(あかね書房刊)他多数。エッセイ集に『空の絵本』(童心社刊)がある。京都府在住。
みどころ
「どこに いけば ゆきが あるの?」
雪を見たことのないカエルが、ウサギとキツネに問いかけます。ウサギとキツネは冬にならないと雪は降らないのだと言います。一度でいいから雪が見たいというカエルですが、冬は寒くて苦手なのです。
「じゃあ つぎの ふゆまで いっしょに まとうよ」
みんなで待てば大丈夫だと、3びきは毎日一緒に遊ぶようになりました。やがて秋になり嵐がやってくると、怖がるカエルにウサギとキツネはそっと寄りそい、なんとか願いをかなえてあげようとします。ところが、本格的に寒い冬がやってきた頃、とうとうカエルくんは動けなくなってしまい……。
一つ一つ丁寧に描かれた花や木を背景に描かれる、カエルとウサギとキツネの優しい物語。動かなくなってしまったカエルくんを悲しみ、土に埋め、お花をたむけるウサギとキツネ。そんな3びきに、驚きの贈りものを届けたのは春の風。
「ふあーー。よく ねたー!」
カエルくんが本物の雪を見られるまで、いつまでも3びき一緒に仲良く過ごしてね。
この書籍を作った人
広島県生まれ、東京都在住。イラストレーター。植物のイラストを多く描き、企業カレンダーや園芸関連の雑誌・書籍などにイラストを寄稿している。あとさき塾で絵本について学び、本書がはじめての絵本作品となる。
この書籍を作った人
絵本・イラスト・立体造形作家。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。中森デザイン事務所を経て、フリーに。『色えんぴつでかわいい鳥たち』『どうぶつのかたち練習帳』(パイ インターナショナル)、『どうぶつえんに いきましょう』『ぼくと小さなポポフ』(教育画劇)など著作多数。
この書籍を作った人
阿部健太朗(1989-)と吉岡紗希(1988-)による二人組の絵本作家/美術家。ともに大分県生まれ。大分県由布市の廃校をアトリエにして、絵本・立体造形・アニメーションなど様々な作品を生み出し、国内外で発表している。主な著書に「ゆうやけにとけていく」(小学館)「がっこうにまにあわない」「しんごうきピコリ」(共にあかね書房)「だいおういかの いかたろう」(鈴木出版)など。主な受賞歴に「第28回日本絵本賞」「第20回日本絵本賞読者賞」など。
この書籍を作った人
東京都生まれ。東京藝術大学卒業。東京造形大学名誉教授。新制作協会会員。壁画装飾、モニュメントなど立体作品を制作。絵本に、『トン・ウーとはち』(講談社)、『銀のうでわ』(岩波書店)、『はしをわたらずはしわたれ』『ニューワと九とうの水牛』(以上、福音館書店)、『たぬきのばけたおつきさま』(鈴木出版)、『さむがりやのゆきだるま』(小峰書店)など。第30回巖谷小波文芸賞受賞。
文/竹原雅子
編集/木村春子