すいかのたね
- 作:
- 押本達希
- 出版社:
- ブロンズ新社
あんなところや、こんなところに隠れているのは……なんでしょう? 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは、『すいかのたね』。とれたて! 産地直送! 鮮度抜群のこの絵本、どんな内容なのでしょう。
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
この中から逃げだした「たね」を探します。ありゃ、これは結構むずかしい?
今度はアリやオタマジャクシになりすましたり、楽譜やひらがなの中に隠れたり。その逃げ方は自由自在。だんだんと難易度が上がっていき、子どもから大人まですっかり夢中に。
色鮮やかなトランプやおやつなど、登場するものの華やかさに比べて、主人公の「たね」の姿は、かつてなかったほど地味でシンプル。ところがじーっと見つめて探しているうちに、いつの間にか愛着がわいてきてしまうから不思議です。探し出すのは、子どもたちの方が得意かもしれませんよね。
ありそうでなかった、新しい絵さがし絵本。イラストレーターとして活躍されていた作者の押本達希さんの絵本デビュー作です。インパクトのある表紙とともに、夏が来るたびに話題になりそうです。
違和感がある? ない?
ひらがなやトランプと「すいかのたね」、すぐに見つけ出せると思いきや、思ったよりもずっと馴染んでしまっているのがこの絵本の難しさ。いくら眺めても、見つめ続けても、逃げ出した「すいかのたね」が探し出せない! ……悲鳴をあげる大人が続出しています。対して子どもは案外すいすい見つけ出してしまうのも不思議です。ポイントは画面の中から浮かびあがってくる違和感。思い込みや雑念をなくし、しっかりと観察して。発見するコツを親子で話し合ってみると、着目点の違いが見えてくるかもしれませんよ。
この書籍を作った人
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。