おひるねしてるの?
- 訳:
- 石津 ちひろ
- 出版社:
- あすなろ書房
「おひるねしてるの?」そっと聞いてみたけれど、返事はない。クロツグミさん、どうしちゃったの? 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは『おひるねしてるの?』。描かれているのは初めて経験する他者との別れ、どんな内容なのでしょう。
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
「生命の終わり」に初めて遭遇する小さきものたちの一日を、あたたかく描いたこの絵本。困りはてたリスとポックはねずみのギュンターも呼び、自分たちなりの「弔い」の方法を考えます。
死んでしまったとしても、安心してゆっくり眠れるようにしてあげたい。いなくなった後も、クロツグミを思い出して話をしたい。忘れないでいたい。
ショックを受けながらも、3人は必死で考え、体を動かしながら、少しずつその悲しみを受け入れていくのです。
予測もしないタイミングでやってくる、他者との別れ。小さな子どもたちには、そのことを事前に想像することも、理解することも難しいでしょう。絵本の中のリス、ポック、ギュンターたちの素直な感情や、健気で時にはユーモラスな行動は、「死」というテーマを扱いながらも希望を感じることができるはずです。生命について考えたい時、親子で一緒に読んでみるのはいかがでしょうか。
故人を偲ぶということ
この愛らしくておかしみのあるリスときのこのキャラクターに興味を持って読み始めると、少しびっくりしてしまうかもしれません。いつもいるはずの、二人の大好きなクロツグミが、横たわった姿で登場するのです。けれども、その驚く様子や、とまどいながらも一生懸命考えていく場面を丁寧に見せてくれることこそ、この絵本の大事なメッセージにも思えるのです。悲しみは癒えることがなくとも、心から故人を偲ぶ方法について、この絵本は教えてくれています。大人になった自分の心にも沁みる一冊です。
この書籍を作った人
1970年フランス・ブルターニュ生まれ。パリ在住。グラフィックデザイナーを経て、イラストレーターとして活躍中。文章も手がけたものを含めて、絵本作品に『ママがいっちゃった…』(あすなろ書房)、『水曜日の本屋さん』(光村教育図書)、「リタとナントカ」シリーズ(岩崎書店)、『ちいさいきみとおおきいぼく』(ポプラ社)などがある。
この書籍を作った人
1953年愛媛県生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。3年間のフランス滞在を経て、絵本作家、翻訳家として活躍中。『なぞなぞのたび』(フレーベル館)でボローニャ児童図書展絵本賞、『あしたうちにねこがくるの』(講談社)で日本絵本賞、『あしたのあたしはあたらしいあたし』(理論社)で三越左千夫少年詩賞を受賞。訳書に『リサとガスパール』シリーズ(ブロンズ新社)他多数。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。